野良猫の教えた命の重み

2010年04月20日付 Radikal 紙

自動車にはねられた雌猫を生き返らせようと心臓マッサージを行なっているかのように、雄猫は雌猫の胸に前足をあてて、何時間も一人で倒れた雌猫を守っていた・・・

アンタリヤの路上で、自動車にはねられた雌猫を生き返らせようと、まるで心臓マッサージを行なっているかのように、雌猫の胸に前足をあてて、何時間も一人で守っている野良猫の姿は、それを見た人々を驚かせた。

昨日の午後、アンタリヤの中心地に位置するクズルサライ地区76通りで、雄猫は、交通事故で命を失った雌猫の傍を何時間も離れなかった。野良猫は、前足で雌猫の心臓のあたりを優しく撫で続けた。この行動は、約2時間にも及んだ。周辺住民のメフメト・アリ・アルカヤさんとウルビエ・セビンチさんは、駐車していた2台の車の間で起きたこの出来事に気付き、この猫を助けようとした。しかし、雄猫はそれを許さなかった。保護のため連絡をうけたアンタリヤ獣医師会ムアムメル・サイグル会長は、同僚と現場に向かった。サイグル会長は、電話でこのような状況説明を聞いた際、雄猫が心臓マッサージをしているなんてとても信じられなかったが、実際目で見てとても驚いたと語った。サイグル獣医は、この仕事について31年たつが、このような話は今まで聞いたことがないと述べた。

アンタリヤ獣医師会ムアムメル・サイグル会長は、「路上で亡くなり、新聞紙がその遺体の上に被せられている横を、人々が無関心で通っている姿を目にします。この猫の取った行動は、我々人間の模範となってもらいたいものです。トルコでは、飼い主のいない動物は、様々な疫病や交通事故のせいで、せいぜい2年間しか生きられません」と語った。サイグル会長は、用意した檻のなかにその猫を入れ、車の4つのライトを点けて(急いで)アンタリヤ動物病院に運んだ。手術室に運ばれたが、雌猫の命を助けることはできなかった。


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翻訳者:大久保はるか
記事ID:18929