イラン、根拠のない天野報告に反論

2011年11月10日付 Jam-e Jam 紙

ソルターニーイェIAEAイラン常任代表「この報告書はプロフェッショナルなものとは言えず、バランスを欠き、政治的なものであり、ねつ造である」

 「16ページの付属文書付きの25ページに及ぶ報告書」というのが、国際原子力機関(IAEA)の天野之弥事務局長による、イランに関する新たな、しかし問題の多い報告書の正体である。この報告書は、数週間前から物議を醸した末、昨日ついに公表された。

 天野氏はこの報告書について、水曜日の日没まで公開するつもりはないとIAEA加盟各国に対して公式的には述べていたにもかかわらず、同報告書を火曜日の夜に公表、〔それを受けて〕海外の通信各社はこの報告書の全文を伝えた。この報告書をめぐっては、しばらく前から混乱した状態が生じていたが、その原因はこの報告書の付属文書で主張されている内容にある。それによると、イランの核計画には軍事的側面が存在する可能性があるというのである。

 IAEA事務局長による最新の報告書で興味深いのは、あらゆる関係筋に先んじて、技術問題に関するCIAの調査部門に他ならない科学国際安全保障研究所(ISIS)によって〔天野報告書に関する評価が〕発表されたことである。つまり、この機関は〔天野報告書が発表された〕直後にそれに関する詳細な技術評価を開始・発表したのであり、このことは、〔正式に公表される〕数日前から天野報告書にアクセスできたということを示しているのである。

 こうしたことから、また天野氏が報告書を作成する前の段階で渡米し、同国の当局者らと面会したことに鑑みると、〔中立的な内容の〕報告書の本文は〔IAEAのある〕ウィーンで、〔偏った内容の〕16ページの付属文書は〔イランに敵対的な〕ワシントンで書かれたものと推定されるのである。

(中略)

「天野はアメリカの道具になってしまった」

 こうしたなかイラン外務省報道官は、天野氏が核兵器保有国の道具と化していると強調した上で、「IAEAによる政治的な報告書の舞台裏を暴いてみせる」と述べている。

 ラーミーン・メフマーンパラスト氏は、「〔‥‥〕最新の報告書でとりわけ際立っている特徴、これまでのIAEAの報告書とは目立った相違を示している特徴とは、政治的目的が明白であること、そして我が国に敵対的な心理的・プロパガンダ的雰囲気を〔国際社会に〕醸成する為に、IAEAに特定の国が圧力をかけていることを決定的に示していること、である」と指摘した。

 同報道官はさらに、「米当局はもっと大きなシナリオを描いている。彼らはIAEAや事務局長の報告書を政治的な道具として、その他の道具とともに、〔我が国に対する〕プロパガンダや《ソフトな戦争》というシナリオのために利用しようとしているのだ。なお、米が利用しようとしている《その他の道具》は、近い将来、人権報告書という名で〔国際社会に〕提示されるであろうし、また駐ワシントン・アラブ首長国連邦大使に対するテロという、根拠のない主張も繰り出されるだろう」と付け加えた。

 メフマーンパラスト氏によると、アメリカ政府の真の狙いは、中東情勢やシオニズム体制の政策をめぐる状況から、〔国際社会の〕関心を逸らすことにあるという。

〔‥‥〕


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翻訳者:8408077
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