ザリーフ外相、米国務長官と会談

2013年09月28日付 Iran 紙
外相らの主な発言

・モハンマド・ジャヴァード・ザリーフ(イラン外相)「制裁解除が交渉の終了地点であり、この目標が達成される時は近い」
・キャサリン・アシュトン(EU外交代表)「イランとは、建設的かつ中身のある会談が行われた」
・ジョン・ケリー(米国務長官)「ザリーフは新たな選択肢を示した」
・ウィリアム・ヘイグ(英外相)「イランとの会談はよいスタートを切った。今後詳細に踏み込む必要がある」
・ギド・ヴェスターヴェレ(独外相)「今回の協議の雰囲気や口調はこれまでよりもよいものだった。イランとの合意の詳細について議論する必要がある」
・王毅(中国外相)「すべてのサイドが外交的なアプローチによって核問題を終わらせたいと考えている」


 34年間にわたるイラン・米間の不信の扉が、「深慮と希望」のカギによって開いた。イランのモハンマド・ジャヴァード・ザリーフ外相がジョン・ケリー米国務長官と歴史的な会談を果たし、2013年の国連〔総会〕で最も重要な出来事となったのである。イラン・アメリカ両国の外相はニューヨークで開かれた核協議で顔を合わせ、それをきっかけに互いに顔と顔をつきあわせる形で話し合いを行い、複雑に絡まり合ったイラン・米関係という難問解決に向けた最初の一歩を踏み出した。

 ニューヨーク協議終了後の5+1グループの同意の微笑みが、この象徴的な会談の序曲となった。ザリーフ外相はケリー国務長官とのこの歴史的重要会談のなかで、イラン側の最重要要求をいの一番に述べた。

 イラン・米外交トップによる会談をめぐるすべては、金曜日夜の核協議から始まった。イランと5+1グループによる協議は、これまでとは異なった雰囲気の下で行われた。これまでの協議を支配してきた悲観的雰囲気はなく、その場にいた外交官全員が初めて、期待感と前向きな姿勢をもって話し合いを眺めていた。そしてキャサリン・アシュトンEU外交代表率いる交渉団は、米イによる直接対話実現のお膳立てをした。

 「目的でもなければ、禁じられた領域でもない」(ザリーフ外相)イラン・米外相会談は、イランと5+1の協議終了後、30分間にわたって行われ、国連におけるイラン外交の雰囲気変化の〔象徴的な〕転換点となった。

 ザリーフ外相によると、この会談で米国務長官は現実的なアプローチで臨み、イラン核問題の終結に向けたオバマ米大統領の決意と、イラン国民の権利を尊重する意思を口にしたという。それに対してイラン側も、平和的な核の権利の享受という枠組みの中で、全制裁の解除を求めた。他方、ジョン・ケリー米国務長官もザリーフ外相との会談について、これまでとは異なった、友好的な雰囲気の下で行われたとし、イラン側の新提案について、イランとの合意に向けた適切な土台となるとの見方を示した。

 オバマ大統領によってイラン核問題解決の特別任務を与えられた米国務長官は、ホワイトハウス入りする前から、外交問題は平和的に解決すべきだとの意見の持ち主で、イラン国民には核エネルギーの平和利用の権利があるとの見方を示していた。

 実際、ザリーフ外相とケリー国務長官による短い会話は、オバマ大統領が数日前にイランに対して用いた、これまでとは異なった見解・レトリックに沿ったものだった。「イスラーム世界の戦略的重要諸国との関係改善」とはロナルド・レーガン米元大統領が30年以上前に口にした主張だが、今日、イラン外交政策の〔穏健的〕アプローチの復活によって、相手への敬意を基本とする形で、〔再び〕米政府の関心を集めるようになったように思える。

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本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。


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翻訳者:白糸台国際問題研究所
記事ID:31552