数千名の志願兵、イラク軍への支援に向けて準備(上)

2014年06月14日付 Jam-e Jam 紙
イラク治安部隊、バグダードへの入り口4ヵ所を封鎖し、テロ攻撃を阻止するための治安措置を強化

 数千名のイラク人志願兵が、テロ組織ダーイシュ(イラク・シャーム・イスラーム国)の攻撃に対抗するために、イラク軍を支援する用意を表明している。彼らは主に、住民の多くがシーア派信徒からなるイラク南部の都市の出身者たちである。

 こうした中、ダーイシュがディヤーラ県の「アッ=サアディーヤ」と「ジャルーラー」の二都市、さらにはバグダードに向けて進軍しているとの錯綜した情報も一部で伝えられている。イラク空軍は時折、ダーイシュ支配下の地域にある陣地に対して、限定的な攻撃を実施している。

 ファールス通信が「イラクの声」の報道として伝えたところによると、バグダードから590キロメートル離れたバスラ県の住民1万3千名が、同州の治安部隊に合流する用意を表明したとのことである。

 バスラ県議会のマジード・アル=ハッサーニー県議が強調したところによると、軍14師団ならびに同地域に展開する多数の治安部隊がニーナワー県やサラーフッディーン県、キルクーク県といった危機的状況にある地域に派遣されたことで生じた力の空白を埋めるべく、イラク軍総司令官は1万3千名の志願兵が参加する「バスラ大隊」が結成されることに同意したという。

 また、ある治安筋が明らかにしたところでは、「二人のイマーム・アスキャリー」(第10代イマーム・ハーディーと第11代イマーム・アスキャリー)の眠る墓廟を守るため、千名からなる志願兵らがサーマッラー入りしたとのことである。

 先週、イラクのヌーリー・マーリキー首相はシーア派のイマームたちの聖廟を守るために、人民義勇部隊の結成を呼びかける発言を行い、ダーイシュに対抗するべく、軍とは別に、志願兵らからなる大隊を立ち上げる意向であることを表明していた。

 他方、イラクのキルクーク県の当局者らは昨日、同県と首都バグダードとをつなぐ陸の連絡路が断たれたと述べた。ダーイシュがキルクークを占領する姿勢を示すと、クルドのペシュメルガ軍は同市を攻撃、自らの占領下に置いた。現在、〔バグダードとの〕連絡が断たれたことで、同市はさまざまな困難に直面している。

 また別の報道によると、イラク軍や治安部隊は昨日(金曜日)、バグダードから北に50キロの地点にある都市バアクーバに向けて進軍していたダーイシュのテロリストたちと戦闘状態に入ったとのことである。イラン国営通信がAFP通信のバアクーバ発の報道として伝えたところによると、イラクの警察や軍の将校らは「イラク治安部隊はバアクーバから北東に35キロのところにあるミクダーディーヤ近郊で、武装勢力と戦闘中である」と証言しているという。

 バアクーバはディヤーラ県の県都で、アラブ人やクルド人、スンナ派信徒やシーア派信徒など〔多様な〕住民から成っている。同市はアメリカとその同盟国による2003年の対イラク侵攻が始まって以来、多くの暴力を経験してきた。アル・カーイダ系のテロリストらは先週、サラーフッディーン県の中心都市ティクリートや、イラク第2の都市でニーナワー県の中心地でもあるマウスィル(モスル)を占領することに成功している。

つづく


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翻訳者:8410105
記事ID:34417