ダーイシュ、石油の輸出を目論む

2014年07月06日付 Mardomsalari 紙
 民兵組織「ダーイシュ」の兵士らは自らの支配地域にある、イラク・ニーナワー県内の複数のモスクや宗教施設を破壊した。

 ダーイシュは、この組織の戦闘員たちがモスル市内にある廟や宗教的な場所を破壊している様子を写した写真、約20枚を公開した。公開された写真には、タルアファル地区に住む少数民族トルコマン人たちに属する複数のモスクも含まれている。〔ダーイシュによって破壊された〕こうした廟やモスクの中には、数百年の歴史を有するものもある。

 「イスラーム国」(IS=ダーイシュ)を名乗る組織に属する過激な民兵らは現在、イラクとの国境に面したシリア・デリゾール(ダイラッズール)県にある、重要な油田やガス田をすべて、自らの支配下に置いている。イラン学生通信(ISNA)がAFP通信の報道として伝えたところによると、「シリア人権監視団」は次のように発表したという。「『イスラーム国』はデリゾール東部にあるアル=タナク油田地帯の支配権を、木曜日の深夜に、ライバルの〔反アサド〕武装勢力の撤退後、手に入れた。同日の明け方には、テロリストたちは重要な油田『アル=ウマル』も支配下に置いた」。

 この人権組織を率いるラーミー・アブドゥッラフマーン氏はさらに、「彼らは今のところ、日量200バレルの産出量を有し、地元部族の支配下にある小規模油田『アル=ワルド』については、手に入れることができずにいる」と述べた。シリア人権監視団によると、ダーイシュのテロリストたちは、アル・カーイダ系の民兵組織『アン=ヌスラ』(ヌスラ戦線)やその他の反体制組織の撤退後、アル=タナクやアル=ワルド〔※ママ〕といった油田を支配下に収めたという。

 デリゾール県に展開する民兵組織「ダーイシュ」のテロリストたちは、同県の県境地域をはぼすべて占領しており、イラク軍から押収した重兵器で装備している。イラク北部の重要な油田を占拠したあと、民兵組織ダーイシュは油田で採掘された原油の販売を始めている。ダーイシュは約100台のタンカーを原油で満たし、販売の準備を整えている。タンカー一台につき、1万2千ドルから1万4千ドルの価値があり、ダーイシュ、すなわち「イスラーム・カリフ国」は自身が支配下に置いている油田から産出される原油の販売を通じて、マーリキー首相率いる〔イラク政府〕軍との戦費を調達しようと目論んでいる。

 元駐イラク米大使は、「『ダーイシュ』と呼ばれる『イラクとシャームのイスラーム国』のことを、私は『アル・カーイダ・バージョン6.0』と考えている。というのも、ダーイシュは2011年9月11日の攻撃を行ったアル・カーイダよりも、規模が大きく、組織化され、資金が豊富で、装備も充実しているからだ」と述べている。

ダーイシュの指導者、死亡の噂

 イラク軍総司令官事務所の報道官は、同軍はサラーフッディーン県内にあるサッダームの故郷アル=アウジャ地区を完全に制圧したと発表した。

 また、サラーフッディーン県のある治安筋が指摘したところによると、イラク軍は人民防衛部隊の後方支援や空軍の掩護を得て、ティクリート市内にあるダーイシュの基地60ヵ所以上を破壊することに成功したという。

 他方、金曜日(7月4日)に起きた戦闘の続きで、イラク地元筋が伝えたところによると、〔ダーイシュの指導者と目される〕アブー・バクル・バグダーディーはイラク軍の空爆によって負傷したとのことである。

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翻訳者:8413306
記事ID:34773