「BBC」はアフリンの戦いに参加した…「フランス24」に写る文化の現状…「ダーイシュ」は「アル=アラビーヤ」の魅力的なタイトルである。(2)

2018年01月23日付 al-Quds al-Arabi 紙
■「BBC」はアフリーンに戦いに参加した…「フランス24」に写る文化の現状…「ダーイシュ」は「アル=アラビーヤ」の魅力的なタイトルである。(2)

【本紙:ラーシド・イーサー】

メディアにおけるアフリーンの戦い

命名や表記をめぐる争いは交戦者の間では一般的で、よくあることだ。名前は戦争の本質を要約するものでしかない。例えば、「アラビア湾」と「ペルシア湾」や、「シリア体制」と「シリア政府」の間の名称をめぐる戦いを見てみよう。「シリア体制」はシリアの反体制派が用いている呼称だ。この名称は最近、この名称を用いない旨を国連に要請する決定をする程、バッシャール・ジャアファリー氏の怒りを買った。「シリア政府」はバッシャール・アサド氏を支持する人々が主張するものだ。

しかし、名称や表現に傾倒する戦いに大手メディアが参入することが、激しい論争の的になることは知られていない。しばしば報道では、現場で使われている名称を誤って使うことがある。おそらく、現場で用いられる名称と画面上での名称の区別が難しくなっているのだろう。BBC自身、トルコと「自由シリア軍」が攻撃しているという表現を使い始めた。

これはBBC Arabicのキャスター、トニ・フーリー氏が先日、昼の全世界放送番組でしたことだ。彼がゲストに対し「トルコは占領国だ…私は三度も言っている」と執拗に言い立てた時のことだ。キャスターがゲストを悩ませる度、本当にゲストがかわいそうに見えた。ゲストが返答しようと手を挙げて、「ロシアもシリアを縦横無尽に攻撃している」と発言すると、キャスターは手を鳴らし「ロシアはシリア政府と調整してシリア国内に入っている。ロシアは、シリア政府に要請されて、テロリストと目されるところとの戦いに関与し、シリア軍を支援している。誰がトルコからやってきているか。誰がトルコで訓練を受けているのか。シリア政府はエルドアン大統領に対しシリアへの派兵を要請していない」と続けて言った。

たとえフーリー氏が「目されている」という言葉を事前に用いていたとしても、この言葉は、必要性を欠いた表現に思われた。彼はすべてを言ってしまったからだ。我々が何がしかの意味を読み解く必要はないのだが、BBCのキャスターは「国連は未だにシリア政府を承認している。自由シリア軍は人口に膾炙するテロ組織だ。トルコだけが認めていない。自由シリア軍はトルコの道具なのだ…」と入念に説明した。

政治はさておき、問題はフーリー氏が正しいかどうかではなく、我々が政治についてではなく、メディアについて議論していることだ。これは大手放送局のキャスターの恥ずべき偏見である。BBCとキャスターの真意は何であるか。なぜフーリー氏は、さも戦場の中心地から話しているように見えるのだろう。職業的・中立的になる中で、しばしば自己の利益に反する姿勢を取ることもあると我々が知っているBBCの立場はどんなものだろうか。答えはトニ・フーリー氏の降板よりない。彼をシリア最前線の戦場に送るためにも。

(3)に続く


この記事の原文はこちら

同じジャンルの記事を見る


翻訳者:中鉢夏輝
記事ID:44379