私にはイランと戦争をする理由が見つからない(3)

2018年03月20日付 al-Quds al-Arabi 紙
■私にはイランと戦争をする理由が見つからない(3)

そう、この事柄がイランにとって不可欠な権益に触れたとき、アーヤトッラーたちはイスラエルの助けを拒否しなかった。イラン・イラク戦争の間、イスラエルは彼らに武器を供給した。武器供与は「アメリカ人人質」事件の渦中において、半ば公然に行われた。つまりアメリカがイスラエルに武器を供給し、イスラエルがそれをイランに横流ししたのである。それに対し、アーヤトッラーたちはアメリカ人の人質を解放した。そして、当時イラン政府への特使だった私の同僚のアメイラム・ニールは武器貸与のためにテヘランへ飛んだ。

アーヤトッラーたちが、核保有国でありイランを完全に破壊する危険を厭わないイスラエルを攻撃することは可能だった、という考えは狂気の沙汰である。

なぜ今さら彼らは我々イスラエルを侮辱するのか?我々に火や硫黄を注ぐのつもりか?これはとても簡単な話だ。イラン人たちの考えでは、イスラエル嫌悪は、彼らの真の目的を実現するための手段なのである。真の目的とは、中東のアラブ世界における支配である。彼らはこれを計画的に実行し、かなりの成功を収めている。アラブ世界はイスラエルを嫌っており、それゆえ、イスラエル嫌悪は有効な手段なのだ。

とても奇妙なことに、ネタニヤフは同じ論理を逆方向にだけ取り入れた。ドナルド・トランプはアーヤトッラーを嫌っており、西側諸国の大半も彼らを恐れている。そのためネタニヤフはイラン嫌悪をトランプに取り入るカードに変形させたのだ。ネタニヤフは世界を回りこの商品だけを売り渡している。これこそが国連総会やアメリカ議会、アメリカ・イスラエル公共問題委員会(AIPAC)での彼の熱狂的な演説の本質的なテーマなのである。

彼の個人的な問題を平和裏に解決することも重要なテーマだった。ネタニヤフは汚職問題に首まで浸かっており、支持者たちはそれを黙認する向きにある。なぜなら彼らの見解によれば、ネタニヤフはミサイルを組み立てているアーヤトッラーたちの恐ろしい危険からイスラエルを守っているからである。


(4)に続く


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翻訳者:本田美紅
記事ID:44536