コラム:ラマダーンにおける貧しい人々の空腹(3)

2020年04月25日付 al-Quds al-Arabi 紙

■コロナと体制との間で…ラマダーンにおける貧しい人々の空腹

【ロンドン:本紙】

国際連合世界食糧計画(WFP)によると、現在世界中で約3億2000万人もの子供たちが学校給食を失った。貧困の激しい国々では、何百万もの人々がラマダーンで飢えに苦しむものの、彼らの空腹は日が沈んでイフタールを告げる声が聞こえても終わらない。

一方で、外出禁止や自宅待機、礼拝所などの公共施設の閉鎖を義務付ける試みを一層強化した政府や宗教的権威もある。中には、礼拝のみならず断食をしないように人々に求めたところもある。こうした中、エジプトのワクフ相がアザーンより前にマグリブ(日没)のクルアーンを放送することを禁止する発表をし、議論を巻き起こした。家に留まることができる人々が、そうすることができない人々のすることを非難することが理解されるのであれば、私達はエジプトやパキスタン、バングラデシュ(アメリカでさえ)のような国々で多くの人々が自宅待機に反対する理由、あるいは多くの地域や諸大陸で大勢が集団での礼拝の許可を求める声をもまた理解しなければならない。こうした集団礼拝は、ソーシャル・ディスタンスに留意しつつ、アメリカのミネアポリスでは許可されている。一方、イスラームの国々では政府・公機関や宗教機関がそうした抗議に対して一層厳格な態度をとっている。こうした諸国における抗議活動は統治体制に対する反逆としてしか理解されず、人々が置かれた社会的・経済的、また精神的な状況を把握する機会として理解されることはない。

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翻訳者:堀嘉隆
記事ID:48962