イラク:近代国家の概念においても...部族は存続し、更新されてゆく!(2)

2021年07月09日付 al-Quds al-Arabi 紙

■近代国家の概念においても諸部族は存続し、更新されてゆく!

【イラク:ワーイル・イサーム】

イラクに駐留していたアメリカ海兵隊の高級将校たち−なおアンバールとファルージャでの作戦における指揮官の一人だったマティス前米国防長官もその中に含まれる−は、彼らが同国を占領した後に直面したスンニ派の暴動という窮地から脱したときの経験を、アメリカ陸軍士官学校の諸研究施設が作成した数々の文献や研究の中で振り返り、次のように結論づけている。すなわち、反政府諸派閥を解体し、またその一部をジハード主義者や「アル=カーイダ」に対する戦いにおいて米陣営に引き込むことに成功した部族覚醒計画の構築は、部族的ネットワークの形成を通して行われた。さらに部族や部族長たち、部族に影響力を持つ人々に対する彼らの対応は、スンニ派暴動の本拠地であったアンバール県において、彼らが「人類学的地勢調査作戦」(Human Terrain System)と呼んだ研究の帰結としての行動だった、のである。

シリアでは、同国東部にある部族地域において同様の事態が繰り返されている。シリアの体制はそれらの地域へ影響力を広めるにあたって、部族の指導者らと同盟を結ぶこと以上に良きことを見つけることができなかった。そのような中、バカーラ部族の部族長ナワーフ・バシール氏との取引は上手くいき、反体制派内の指導者をアサドの同盟者へと変えた。このことから、バシール家の指導者層は父アサド(ハーフェズ・アサド前大統領)の同盟者であったナッワーフ氏の父親の時代から、反体制派寄りのナッワーフ氏の時代に至るまで、依然として政治計画との同盟を切望し続けていることが窺える。

(3)に進む

(1)に戻る


この記事の原文はこちら

同じジャンルの記事を見る


翻訳者:吉岡珠実
記事ID:51319