モサド:イスラエルのために働いたエジプト人スパイの死(4)

2021年11月24日付 al-Quds al-Arabi 紙

■1967年戦争下のエジプトでイスラエルのために働いたスパイの死

【本紙】

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同時期の1967年6月、イスラエルはシナイ半島を占領した。このような情勢のなかで、イスラエルの情報機関は諜報員の獲得に励んでいた。生活するうえでの厳しいプレッシャーと占領の状況があったためである。実際、シャーヒーンを引き付けることに成功した。彼を引き付けたモサドの職員は、彼が夢にも思わなかったような誘惑をちらつかせた。有り余るほどの金を手にすることと彼の生命およびアリーシュに暮らす家族の安全が保証されることの見返りに、シャーヒーンはエジプトに関する情報収集においてイスラエル人に協力することに同意した。たばこ1箱を買う金もなかった時期に、頭金として千ドルを受け取ったのである。

シャーヒーンはシナイ半島のベエルシェバに戻り、この時から正式にイスラエルのスパイとなった。妻や子供たちにたくさんの贈り物を持って家に帰ると、インシラーフ・ムーサーは喜んで、その金をどこから持って来たのかと尋ねた。夫は、あるエジプト人フィダーイー(愛国戦士)の潜伏先をユダヤ人に教えたところ、1000ドルの報酬をもらったとささやいた。彼女は夫を強く抱きしめて、「遅かれ早かれいずれは捕まる人だったのだ」と言った。すると夫は悪意をもって「裏切りとはみなされないのか」と尋ねた。ムーサーは口を大きく開き、糾弾と驚きで眉毛を上げた。そして、「あなた以外の誰かがその人を通報して1000ドルを得られることはあり得なかっただろう。あなたは正しいことをしたに過ぎない」と答えた。

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翻訳者:下宮杏奈
記事ID:52089