ロバート・マレー米国イラン担当特別代表「米国次期政権が核合意から脱退しないことは保証できない|イランは核兵器の取得に踏み切ったように見えない」(2)

2022年09月30日付 Hamshahri 紙

 イランのアミールアブドッラーヒヤーン外相はさらにこのように語った。「反イランの立場から非難を受けている3箇所の(未申告)施設(※)についてIAEAはいくつか疑問を抱いているが、我々はそれらに答える用意がある。しかし我々は、IAEAはもっと技術論的な面について行動すべきだと強く信じている。我々がIAEAに対して抱いている問題は、IAEAが政治的に動いていることである。もしIAEAが彼らの技術面の義務と責任に専念すれば、我々もこの方向でIAEAへの協力を強化するつもりである。2015年の核合意で、イラン、米国、及び欧州の3カ国(英仏独)の間で一致した政治的決意はイランとIAEAの問題の解決の手助けとなった。(今回に関しても)、(IAEAへの)技術協力と(イランによる)IAEAの質問への回答とともに、このような政治的決意を期待する。我々イランは、世界で行われている核活動全体の2%を、しかも平和的な枠組みの中で実施している。しかしIAEAが行なっている査察の37%はイランに当てられている。これが意味するのは、米国の復帰により核合意が再建したら、我々は再びIAEAに全てのアクセスを与えなければならなくなる、それも保障措置の必要以上のアクセスを、ということだ。ゆえに、極めて当然のこととして、現在IAEAでイランをめぐる議題となっている根拠のない非難は(議題の)中から除去されなければならない。実際のところ、我々はIAEAの査察の作業行程が技術的な面についてであることに同意している。しかしそれと同時に、今回非難されている問題を解決するためには、2015年の時のような政治的決意がなければならない。」

 マレー氏は、イランがウィーン協議で保証を求めていることについて、「米国のJCPOA復帰に向けてウィーンで合意が成立したとしても、ワシントンは同国の次期政権がこの合意から離脱しないことは保証できない」と表明した。

 マレー氏はこの件について、「私はなぜ彼らがこの保証を求めるのか理解できる、しかし我々は約一年半前にこの交渉を始めた時から、我々のシステムはそのように機能しないと言った。もし次期大統領が思慮を欠いた措置をとり、一方的な決断で、合意が機能しているにもかかわらず、離脱した場合、それを止めるために我々ができることは何もない」と語った。

※訳注;3箇所の未申告施設とは、マリーヴァーン(コルデスターン州)、ヴァラーミーン(テヘラン州)、トゥールグーザーバード(テヘラン州)の核施設を指す。


-(3)に続く-


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翻訳者:LJ
記事ID:54314