受刑者の就労支援|なぜマラーゲは全国の受刑者就労の模範になったのか?

2023年12月19日付 Hamshahri 紙

 受刑者の就労と技能訓練は20年前から議論されてきた。今は国内のほとんどの都市で、受刑者は出所後に自分で職業に就き、生計を立てられるよう、刑務所内の工房で専門的な訓練を受けている。

【ハムシャフリー電子版】東アーザルバーイジャーン州マラーゲ県は、80%以上の受刑者のために雇用を創出したことで国内の他の都市を超え、全国の受刑者就労の模範となった。マラーゲ刑務所のアミール・アリー・ジャアファリー所長は、本紙に、「受刑者たちは就労のための技能訓練コースを修了した後、近隣都市の工場に就職し、月に1,800万トマーンまで稼いでいる」と語る。

◆受刑者の8割に雇用を創出
 マラーゲ刑務所の所長は本紙に、「ほとんどの訓練生は男性です。なぜなら彼らの人数は女性の受刑者より多いからです」と話す。刑期中における受刑者の職業訓練および就労は東アーザルバーイジャーン州のマラーゲ県だけが行っているわけではないが、なぜ人口17万5000人のマラーゲ県が全国の受刑者就労の模範になることができたのかと聞くと、アミール・アリー・ジャアファリー氏はこの件に対し、このように答えた。「昨年から、マラーゲ刑務所で技能訓練が始まり、80%以上の受刑者が就労し、自分で収入を得られたことで、我々は全国の受刑者の就労支援の模範になりました」。

◆受刑者はどこで働いているのか?
 受刑者分類審議室は、どの受刑者が刑務所の外で働くことができるか、またどの受刑者が刑務所で働かなければならないかを決める。620人のマラーゲ刑務所の受刑者は、刑務所内の絨毯織り、縫製、四輪バギーの組み立て、手工芸品の工房で働いている。残りの就労している受刑者はほぼ同数おり、マラーゲ県内や近隣都市の工場や工房で働いている。ジャアファリー氏は、「マラーゲ市外の14の工場がマラーゲ市の受刑者たちを受け入れており、彼らはその仕事に応じて月500万から1,800万トマーンの給与を得ています。(14の就労先の)中には、ボナーブ[訳注1]の四輪バギーの組立工場、ボナーブの伝統的な銅製品の工場、アーザルダーネ・ボナーブ社[訳注2]やザファル製鉄所、異形鉄筋[訳注3]の工房や細骨材[訳注4]工場などがあります」と話す。

 最近、マラーゲ市にあるシャファーヒー博士雇用複合施設内にナーン屋複合施設が開業し、一部の受刑者はそこで働いている。シャファーヒー博士雇用複合施設の接着剤と革の工房が始動すれば、他の一部(の受刑者)もそこで働くことになるだろう。マラーゲ刑務所の最新の収入創出計画は、マラーゲ受刑者支援協会を通じて段ボール製造の訓練を受けている受刑者の家族を対象としている。ジャアファリー氏によると、過去1年間、全国の刑務所職員が受刑者の雇用創出の分野のノウハウをつかむために、マラーゲ刑務所を見学した。


※訳注
[1]イランの東アーザルバーイジャーン州にある県およびその中心都市の名
[2]ボナーブ市にある家畜や家禽の飼料を生産する会社
[3]コンクリートやモルタルの付着性を高めるための突起の付いた構造用補強材
[4]コンクリート用の砂


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翻訳者:LJ
記事ID:57144