ガザ:「言葉を話さぬ存在」ロバが語るガザの現実
2025年06月02日付 al-Quds al-Arabi 紙
■パレスチナのロバ、パレスチナ人作家が考える「言葉を話さない存在」
【ラーシド:イーサー】
ガザに対する残虐な戦争を見守っているどんな人々にとっても、ガザで死にゆくロバのための哀歌を目にすることは驚きではないだろう。誰一人として彼に手を差し伸べることはできないままに、ロバは今にも息絶えようとしている。
ガザ地区から届く写真のなかには、この穏やかな存在――ロバが写らないことはほとんどない。パレスチナ人作家イブラーヒーム・アブー・フシュハシュは自らの悲しく美しい哀歌のなかで、「彼は決して道から目を逸らすことはなかった」と述べている。
この「言葉を話さない存在」がもし一度だけ口を開けるとすれば、「私は道のためにある」と言うに違いない。ロバはこの国の小道に永遠に寄り添っている道の王であり、一度たりとも空を仰ぐことはなかった。これはなぜか。「彼には赦しを求めるべき罪など存在しないからである」と、パレスチナ人作家はそう述べた。
(後略)
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翻訳者:川口真知
記事ID:60290