IMF,ベトナムのマクロ経済を積極的に評価
2013年05月21日付 VietnamPlus 紙

 2013年4月末、国際通貨基金(IMF)から毎年派遣される経済視察団はベトナムでの調査を行なった。調査を終えた後、IMFの視察団はマクロ経済の変化やこれまでのベトナム国家銀行の政策的措置についてかなり積極的に評価した。
具体的にはベトナムのマクロ経済は主に活発な輸出によってどん底を脱し、回復の兆しが見えている。インフレは2013年3月では昨年同期と比べて2桁から7%に減少した。
IMFのプレスリリースでは、金融市場が安定を回復したのは、国家銀行が弱小銀行の合併や資金供給に努力したお陰だとしている。
 経常収支黒字は、経済活動が低調で輸入が少なかったこともあり、2012年には90億米ドル以上に増えた。そのために、外貨準備高は2013年2月末には、商品とサービスの輸入の2.5か月分以上に増えた。
2012年にマクロ経済と金融市場の安定を達成できたことは、国家銀行に対する市場の信頼を高めたとIMFは強調する。
 一般インフレが鎮静化する一方で、基本インフレ(基本的な食品やエネルギーを含まない)はまだ高いレベルにあり、このことは金利の引き下げを抑制している。
IMFは、ベトナム政府にマクロ経済の安定から得られる利益を堅持し、現在の政策を維持することがとても必要だと勧告している。短期間、政府は現在の金融政策を維持する必要があり、それから財政刺激策をやめていくべきである。
 今後、外貨準備高などを増やすために、適切なマクロ経済政策を通して最近得られた成果を拡大していかなければならない。
 IMFは、ベトナムの関係機関が銀行と国有企業において重要な構造改革に着手することを支持している。
 ベトナム放送VTV1の最近のインタビューの中で、IMFの視察団長も、この1年余り、ベトナムの経済政策はマクロ経済の安定を取り戻すことにかなり成功したと認めている。このことはインフレの大幅な減少に体現されており、それによって国内通貨への信用が高まっている。
 正にこのことが外国為替市場の安定に貢献し、国家銀行の外貨準備高を増やし、国家銀行が外部からの影響に対処しやすくしている。
 この成果はとても重要であるが、その成果を維持し高めるためには、関係者は政策を急いで緩和することを避ける必要があり、さらにきわめて重要なことは財政政策が引き続きマクロ安定努力と助け合わなければならないことである。
 銀行改革に関しては、視察団長も国家銀行がそれを進めていると見ている。そのことは、弱小銀行の合併や銀行の不良債権問題を解決するために資産管理会社を設立するといった最近の議論に見られる銀行改革の提案に反映されている。
 しかしながら非常に多くのしなければならない仕事が残っており、より迅速に処理しなければならないことを強調しておく必要がある。視察団長はいかなる銀行改革も容易ではないと強調した。なぜならこのことは、あらゆるレベルでの保証と決断を要するからである。
 銀行の膨大な不良債権は国有企業からのものであるため、銀行改革は国有企業改革と並行して行なわれる必要がある。また国家銀行、財務省、関係省庁、政府事務局の連携が求められる。
 IMFの視察団長は、この挑戦を行なうためには一定の支出がきわめて重要であり、また必要になるであろうと強調した。さらに国家銀行は損害を被る可能性があり、世界の経験からいっても、銀行処理と国有企業のリストラは財政支出にいたることは間違いないと指摘した。
4月にIMFの視察団はベトナムにおける金(きん)市場とその運営についても評価した。国家銀行は金市場を管理するため、様々な切り口から多くの措置を講じてきた、とIMFは見ている。その中には、よりよい通貨政策を実施し、金投機による金融の変動を抑えることができるように金の通貨的役割を排除することも含まれている。
国家銀行の最近の措置(たとえば、商業銀行が金の担保で融資することを禁じる)は、金市場の管理を強化するための重要な第一歩であり、外国為替市場からの圧力や銀行にとってのリスクを減じることを目指していた。
IMFは、銀行が融資するための金の動員や他の投機行動を停止させたベトナム政府の努力は効果的であったとした。IMFの視察団は、金融安定の利益のために金による送金を禁じた銀行の措置を支持し、すでに行なった行政管理手段をやめる必要のあるケースは見当たらないとしている。

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( 翻訳者:相野なな子、坂崎由衣、山田秀輝 )
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