ベトナムのコメ生産量は2040年には12%減か
2013年06月20日付 VietnamPlus 紙

6月20日の午後に世界銀行が発表した報告書によると、今後20年以内に地球の気温が4℃上昇すれば、ベトナムが乗り越えるべく努力しなければならない試練はより深刻になると同時に食糧の安全と環境にとっての重大な脅威になるものと見られている。
特に2040年に地球の気温が4℃上昇することにより、海面が30㎝上昇し、メコンデルタが冠水して塩水が流れ込むと、現在と比べて農業生産量が約12%減少する恐れがある。
実際に「気温上昇が稲の生育に直接影響し、その結果、コメの生産量は2010年と比べて毎年約260万トン減少する恐れがある。それとともにメコンデルタでコメの生産性が6~12%減少すると考えられる」と報告書は明言している。
また報告書によると、気温の上昇は水産物の生産にも多大な影響を与える。さらに各種のエビと魚をメコンデルタの気候変動に適応させるための費用は年間約1.3~1.6億ドルかかるとされている。
世界銀行総裁のジム・ヨン・キム氏は、異常気象と東南アジアにおけるその影響について、今後20~30年以内に高い頻度で発生する異常気象により淡水が枯渇し、食糧不足が深刻になるとしている。
上述の試練を前に世界銀行総裁は次のように強調した。「天災に対処するために残されている時間はとても短い。世界は気候変動問題の解決に努力している。ベトナムとしても、この問題を抜本的に解決しなければ貧困状態を解消することはできない。これは今日の公平な社会にとっての最大の試練のうちの一つである」。
同じ観点から、世界銀行のアジア太平洋地域担当副総裁であるアクセル・ヴァン・トロッツェンバーグ氏は、4℃気温が上昇するのは避けがたいことではあるが、天災による損失を抑えることを目指し、エネルギー生産から温室効果ガスの排出量を減らすなど、我々は地球の将来のために直ちに行動する必要があるとしている。
それとともに「気候のリスクから人々の生活まで、特に貧しくて被害を受けやすい人々のそれにまで増加しつつある否定的作用を減らすため、ベトナムはその宣伝と警告を推進していかなければならない」とアクセル・ヴァン・トロッツェンバーグ氏は提案している。

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( 翻訳者:高見彩華 )
( 記事ID:183 )