中絶の20%は未成年
2013年07月10日付 VietnamPlus 紙

国の最新の調査結果によれば、未成年(10-19歳)の中絶の割合は、ベトナムにおける中絶総数の20%を占めるなど、憂慮すべき値を示している。
 上記の情報は、7月10日午前、世界人口デー(7月11日)に呼応し「未成年世代の妊娠」とのテーマで保健省が開催した記者会見の際にベトナム駐在国連機関から発表された。
 記者会見において、グエン・ヴィエット・ティエン保健省次官は、ここ数年、家族計画が多くの成果を上げてきたことを強調した。同次官によれば、典型的なものとして、人口の質は日に日に向上しており、人々の平均寿命は73-75歳に達し、人口構造は豊富な労働力を持つ「黄金」の人口構造の段階にあり、人口増加のペースは制限されており、安定を保っている。
 このような成果の一方で、ティエン次官は、ベトナムがその人口計画において不十分な問題に直面していることも強調する。その問題とは、特に未成年、青年のリプロダクティブ・ヘルスと性に関する問題である。それは、安全でない性関係、望まない妊娠及び安全でない中絶により、若者が性交渉を通じ各種の感染症に罹患する状況を引き起こしている。
 ティエン次官は、「特に、子癇、子癇前症、出血など、未成年、青年世代における妊娠の過程で起こる可能性のある異変は、母体の生命を脅かす」と分析した。
 保健省の統計及びその他の人口調査によれば、ベトナムがミレニアム開発目標を達成する中で多くの成果を挙げ、ほとんどの達成目標を成し遂げたと述べている。しかし、現在、依然としてベトナムの青年の3分の1以上が避妊手段を用いていない状況であり、リプロダクティブ・ヘルスに関する情報とサービスへのアクセスに際し多くの障害に突き当たっている。
 国連人口基金(UNFPA)ベトナム事務所長のアーサー・エルケンは、未成年の妊娠には、貧困、男女不平等、暴力、若年結婚、少女とその交際相手の権力の不平等、少女たちが学校に行くことができないことによるものなど、根深い原因があることを認めている。この問題は、未成年の少女の権利保護がまだより良く実施されていないことを示している。
 エルケン所長によれば、毎年全世界で、およそ1600万人の15歳から19歳の少女が出産している。この数の中で10人の少女のうち9人が結婚しているが、まさにこれが、未成年世代における出産という現実を導き出している実態である。
 したがって、国連の専門家は、未成年、青年世代の望まない妊娠の状況を抑制するため、ベトナムは、この世代の妊娠割合を減らすための具体的な行動、広報・宣伝戦略、方法、手段をもつ必要があると分析する。
 2013年の世界人口デーにあたり、保健省とUNFPAは、政府、国際開発ドナー、協調すべき各関係者にさらなる努力を呼びかける。それを通じ、未成年の少女の若年妊娠に対する影響を解決することの重要性に関する若者の意識を高めることができる。

❋ベトナムでは毎年平均で15~19歳の少女により約30万件の中絶が行なわれており、そのうちの60~70%は学生・生徒である。ベトナムは未成年の中絶率が東南アジアで最も高く、世界で5番目である(2013年4月2日付けVietnamPlus記事)。2012年にサオドー大学(ハイズオン省)の実施した調査によれば、23%の学生に婚前交渉の経験があり、避妊の措置を講じていない人が53%を占めた(2013年3月28日付けVietnamPlus記事)

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( 翻訳者:山口里緒 )
( 記事ID:232 )