元政治局員、元中央軍事委員会書記、元政府常任副首相、元国防相、元ベトナム人民軍隊総司令官。
　ヴォー・グエン・ザップ大将の出生時の名前はヴォー・ザップ、別名はヴァンであった。将軍は1911年８月25日に、クアンビン省レトゥイー県ロックトゥイー社で生まれた。1925年から1926年まで、将軍はフエで学生運動に参加し、1927年には新越革命党（インドシナ共産党、今日のベトナム共産党の前身組織の一つ）に加入した。1930年、将軍は逮捕され、２年の服役の判決を言い渡された。出所後、将軍は宣伝活動を継続し、青年・学生の中に革命組織をつくった。1936年、将軍はハノイにおいて党の半合法的な民主運動の中で活動を行なった。その活動は党の新聞である『労働』紙、『我々の声』紙、『進め』紙、『解放旗時報』紙などの編集員であった。将軍は北圻新聞雑誌委員会主席に選ばれた。
　1940年6月に将軍はインドシナ共産党に入党し、党から選ばれて海外に渡り、指導者グエン・アイ・クオック（阮愛国）に会った。1941年、将軍は帰国し、カオバン・バックカン・ランソンの根拠地での武装蜂起の準備活動に参加した。1944年12月、将軍はグエン・アイ・クオックにベトナム宣伝解放軍創設の任務を任された。1945年４月、北圻軍事会議において将軍は北圻軍事委員会に選出された。同年5月から将軍は、統一してベトナム解放軍となった新たな革命武装諸勢力の司令官をつとめた。同年6月、将軍はグエン・アイ・クオックに解放区臨時指揮委員会設立の任務を託された。
　1945年８月、将軍は党の中央執行委員会と全国蜂起委員会に選出された。タンチャオ国民大会において、将軍はベトナム民族解放委員会に選ばれ、ベトナム民主共和国臨時政府の内相となり、党中央執行委員会常務に補された。1946年３月、将軍は軍事主席、連合政府委員となった。中央軍事委員会が設立された時、将軍は中央軍事委員会書記に選ばれた。同年10月、国防相として、ホー・チ・ミン主席から人民軍隊とベトナム自衛民軍の総司令官を任された。1948年の１月、将軍は「大将」、「ベトナム人民軍隊総司令官」の位を授けられた。
　1951年２月の共産党第２回全国代表大会において、将軍は党中央委員に選ばれ、党中央委員会から政治局員に選ばれた。1955年９月から1979年12月まで、将軍は副首相兼国防相をつとめた。1960年９月の共産党第３回全国代表大会において、将軍は中央委員会に再選され、党中央委員会から政治局員に選ばれた。1976年12月の共産党第４回全国代表大会において、将軍は中央委員会に再選され、党中央委員会から政治局員に選ばれた。
　第５回（1982年）と第６回（1986年）の全国代表大会においても、将軍は中央委員会に再選された（訳注：政治局員からは外れる）。1980年１月から、将軍は常任の副首相となった。さらに1981年４月から1986年12月まで閣僚評議会副主席(現在の政府副首相)をつとめた。
　将軍は第１期から第７期までの国会代表をつとめた。
　党と民族の革命事業に対する多大の功労、国内外の威信によって、将軍は党、国家により金星勲章、ホーチミン勲章、党歴70年記章が授与され、またベトナムや他の国々からの多くの貴重な勲章・記章などを授与されている。

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（ 翻訳者:佐久間凱士、相野那奈子 ）
（ 記事ID:324 )