ジャライ族、バフナル族の1万1000人の生徒が母語を学習
2013年10月08日付 VietnamPlus 紙

 ザライ省では、106の小学校に通う小学3年生から小学5年生までのジャライ族、バフナル族の1万1000人以上の生徒が、選択科目として母語を学習することができるようになった。このうち、ジャライ語を学ぶ生徒は約1万人、バフナル語を勉強する生徒は約1200人である。
 2008ー2009年の学年度からザライ省は、教育訓練省が掲げた小学校での少数民族語教育に関する方針を実施している。それは少数民族の生徒に対する教育の質の向上に重要な役割を果たすとともに、この地域における主要な少数民族であるジャライ族とバフナル族の言語を保全し発展させている。
 毎週、各学校ではバフナル語やジャライ語の授業に、正規の授業として4時間を充てている。一部の学校では、物理的な理由で時間外に教えたり、正規の授業の6時間目として教えているが、既定の授業時間は満たしている。現在、少数民族語による授業を行っている286人の教員はみな少数民族出身であり、ジャライ族の教員が254人、バフナル族の教員は32人である。全員が師範学校で小学校教育の専門課程を修了している。
 他の一般学科を教えるだけでなく、教員たちは少数民族語を教えることも同時に行う。彼らは高い能力、学歴、豊富な経験を持ち、少数民族語に精通し、仕事に情熱を持っている。ザライ省の教育部門も、教員と生徒のために教科書や問題集、教員用の指導書、ライティングの練習帳を編纂、支給するなど、学校でのジャライ語、バフナル語教育に資する備品をそろえる投資を積極的に行なっている。
 教科書に関しては、小学3,4,5年生相当の3種類がある。内容は、少数民族の生徒の心理的特徴に合致し、それぞれの年齢に適したものである。文字と様々な図表は生徒たちの興味をひきつけ、母語形成能力を刺激している。教師用の冊子には単元ごとに明確な指導計画、構造があり、生徒に対して高い教育効果のある授業を展開できるよう、教員が自信を持って教えられるものになっている。
 ザライ省の教育部門では、教える側、学ぶ側双方の質の向上のために、厳密な管理や検査にも重きを置いている。「少数民族語を教える教員は全員養成講座に参加できる」という方針のもと、夏にはいつも教員養成講座を開催し、学校群ごとに勉強会を開いている。多くの学校が授業参観を行い、少数民族語を教える方法と技能を教員が培うのに役立っている。生徒たちには、毎月学校がテストを行ない採点し、年に2回学期末にも試験を行って選択科目として成績表に平均点を記載している。
 ジャライ語とバフナル語の授業がザライ省の小学校で始まって5年が経った。これが妥当な政策であり、一般的には各少数民族の望み、個別的にはジャライ族とバフナル族の生徒たちの望みに沿ったものであることが明らかになっている。
 各級の党委員会・地方政府と少数民族の人々が一致して支援していることは、生徒を学校に通学させ、授業に参加する生徒数を高水準で維持することに大きく寄与している。現地調査によると、生徒はみな少数民族の母語を勉強するのが好きで真面目に勉強し、きちんと宿題をこなしている。同時に生徒たちが他の一般科目を学ぶのにも役立っている。
 クパ・パウル民族教育室長(ザライ省教育訓練局)によると、少数民族の母語をその民族が暮らす地域の学校教育に積極的に取り入れることは、とても意味があり必要なことである。しかし、ザライ省ではいまだ多くの課題が残されている。一番の課題は少数民族語を教える教員の不足で、そのため少数民族語教育を拡大することができないでいる。

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( 翻訳者:讃井綾香 )
( 記事ID:325 )