精神的暴力を被るベトナム女性の高い割合
2013年12月04日付 VietnamPlus 紙

 保健省検診・治療管理局局長のルオン・ゴック・フエ副教授(訳注:「副教授」はベトナムでは博士レベルとされる肩書き)は、54%に上るベトナム人女性が生涯のうちに精神的な暴力を受けたことがあると述べた。
 12月4日午前、ハノイにおいて開催された保健省通達16号(2009年)の実施状況についての調査及び家庭内暴力に対する医療部門の対応に関する国家セミナーにおいて、フエ局長は上記の通り述べた。
 フエ局長は、性差別による暴力もしくは性暴力はグローバルな問題の一つであり、あらゆる形で、全ての社会において起きていると強調した。女性と女児が性暴力を受ける主な対象であり、健康・財産・収入の喪失、家庭崩壊に支払わなければならない代償は極めて大きい。
 2010年に統計総局が実施した女性に対する家庭内暴力に関する国家研究報告によれば、ベトナムの半数以上の女性が、生涯のうちに一時でも被害を受ける危機があったと指摘している。
 報告は、結婚したことのある女性の32%が生涯で身体的暴力を受けたことがあり、6%が12か月間にわたり暴力を受けたことがあるとはっきり示している。
 特に、精神的暴力を受ける割合は高くなっている。54%の女性が生涯に一度は精神的暴力を受け、25%はこの一年の間に経験しているとされている。
 フエ局長によれば、身体的暴力を受けた全ての女性が精神的暴力も同じように被っているとされる。この数字を合計して考えるなら、58%もの女性が精神的、身体的そして性的暴力のいずれかを受けていて、およそ5%の女性が妊娠中にも暴力を受けていたことになる。
 現在、中央から地方までの検診・診療体系において、1,150箇所の病院があり、10,000箇所の診療所と民間の医療施設がある。
 (しかし)家族から暴力を受けた被害者の健康をケアする活動を行っている医療機関は多くない。加えて、こうした医療機関に自ら駆け込み支援を求める被害者も少なく、被害者の多くはむしろ躊躇する。その一方で、地方政府内の各部門、委員会間の協議は足並みが揃っていない。
 こうしたことから、今般、保健省はシンポジウムを開催し、冒頭の通達を進め、上記の各機関が被害者の受け入れとケア及び家族から暴力を受けた被害者についての統計と報告に関するガイドラインを実施するよう指導を行うことに至った。
 なお、2007年11月にベトナムの国会は家庭内暴力防止法を採択し、(現在、関係省庁が)同法の実施ガイドラインを指導している。このうち、保健省は、2009年9月22日に、被害者の受け入れとケア及び医療機関における家庭内暴力の被害者についての統計と報告のガイドラインに関する保健省通達16号(2009年)を作成した。

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( 翻訳者:小谷岳、横田知之 )
( 記事ID:464 )