TPPへの参加:農業に最大の影響
2013年12月08日付 VietnamPlus 紙

 12月8日夜に放送されたテレビ番組“国民の質問に大臣が答える”の中で、商工省のブー・フイー・ホアン大臣は、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)はハイレベルで、WTOより高度な内容を多く含む協定の一つであり、締結された際には、輸出と外資誘致に大きく寄与するであろうと強調した。
 その一方で、大臣は、最大の被害を受ける主な分野は農業であるとも強調した。ベトナムの基幹産業はなお農業であり、その農産品の多くは小規模な生産にとどまり、生産効率も低く、先進技術の導入もまだ限定的であるため、生産コストがかさみ、東南アジアの主要経済国と比べても高くなっている。よって、市場の開放、輸入の拡大は、そうした農産品に少なからず影響を及ぼしかねないという。
 大臣によると、そうした消極的要因を制限するため、ベトナムは、アメリカや他のTPP参加国との協議や交渉において、TPPは利益の面で平等であり、発展の度合いの差を考慮し、全ての参加国が利益を受けられるような協定でなければならない、と要求してきた。
 大臣は、「つまり、最終的に我々はTPPを締結する。しかし、関税の緩和や撤廃などは、協定の発効後直ちに実行するということではなく、ある程度の時間が必要だということだ」と述べた。
 さらに、「より明確に説明すると、特に農業、農産物食品加工業の各企業、そして農民は、弱点を克服し、徐々に自身の生産物の競争力を高めるための条件を整えていく、ということだ」と述べた。
 一方、TPP実施に向けた準備において、各主管官庁は、主要企業、さらには縫製業協会や水産業協会などの業界団体とも協議し、各企業がTPP参加の際のメリットを理解し、活かせるよう、あるいは、デメリットを事前に予測し、その対策を講じられるよう、情報提供のための協議やセミナーを頻繁に開催してきた。
 環太平洋パートナーシップ協定(TPP)は2010年3月に交渉が始まり、これまでに19回の交渉を重ねてきた。
 予定では、オーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、日本、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ペルー、シンガポール、アメリカ、そしてベトナムの交渉参加国12カ国が2013年末に協定に署名することになっていた。
 専門家によると、協定に参加すれば、今後10年でほとんどすべての品目の関税が0%になり、参加国はその恩恵を享受することになる。そうした中で、ベトナムにとってのメリットは、アメリカや日本といった大市場がベトナム製品に開放されるということである。
 特に注目すべき点は、縫製品や靴製品などベトナムが得意とする分野の輸出がさらに拡大するであろうという点である。さらに、TPPへの参加は、ベトナムに、国内の生産の規模や品質のさらなる向上、経済競争力の一層の強化といった課題を突き付けることになるであろうという点である。

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( 翻訳者:山口里緒、守屋仁一 )
( 記事ID:511 )