2014年、ベトナム米は厳しい競争の中へ
2014年01月09日付 VietnamPlus 紙

 1月9日にホーチミン市で開催された2014年のコメの輸出計画の展開に関する会議で、ベトナム食糧協会(VFA)は、2014年の世界のコメ市場は、タイ米の値下げ圧力とアジアにおけるコメの主要輸出国間の競争の影響が続き、コメの価格が引き続き下落する傾向にあると分析した。そうした中、ベトナムは他のコメ輸出国との厳しい競争は避けられず、特に、香り米や白米ではタイと競合し、さらには、バスマティ米、パーボイルド米、破砕米といった特殊なコメ市場を有するインドも強敵であるという。
 VFAによると、ベトナムの高品質の香り米や白米はアフリカでの競争で優勢で、また、コメの早期納入を希望する中国をはじめとする東南アジア諸国などの近隣の市場への対応でも有利となっている。東南アジア地域全体の輸入量は減っているものの、伝統的な市場からの契約は依然多い。特に中国への輸出は増加していくとされ、他の市場への輸出の減少分を穴埋めし、さらには、今後、ベトナム米の最大の輸出市場になると見られている。特に、国境貿易による輸出は、他の市場への輸出が減っていく中で、ベトナム米の消費に大きく貢献している。その一方で、VFAは、中国は安値で買いたたき、また、ビジネス上の潜在的なリスクもあると注意を促している。VNFは、2014年は、契約の多い伝統的な市場を強化し、シェアを維持し、輸出の効果を確実なものとするため、より適切な対策を講じるとともに、新興市場や、競争やさらなる参入の可能性のある市場に対しては、貿易を促進、強化していくと明らかにした。それは、TPP締結後のアメリカや日本などのコメ市場開拓の条件、準備となるものであり、即ち、輸出のバランスやリスク分散のため、国境貿易におけるコメの輸出の管理・チェック、あるいは、市場の要求に見合った、香り米をはじめとする高品質米の品種の選別、開発、ブランド化-などである。
 一方、一部の企業は、商工省はじめ関係当局に対し、ベトナムの有利な点でもある、適切に管理された国境少額貿易(国境簡易貿易)を奨励するシステムの導入を提案した。また、契約の多い市場に関しては、各企業が取引において違反をしないようVFAが適宜通告し、企業が困難に直面した際には、各企業が取引先と接触できるようVFAが柔軟に処理するよう求めた。さらに、農業・農村開発省や商工省に対し、アメリカ、EU、日本、韓国など管理が厳格な市場への参入に向け、コメ産業のための戦略を打ち出し、残留農薬の管理策などを講じるべきだと指摘した。
 VFAによると、2014年のコメ市場は思わしくないため、輸出量は2013年と同等の約650万~700万トンと見込まれており、その内、第1四半期は約120万トンとされている。
 なお、2013年はベトナム全体で668.1万トンのコメを輸出し、輸出額はFOB価格で28.93億ドル(CIF価格で30.19億ドル)だった。これは、2012年と比べ、総量で13.45%、FOB価格で16.12%(CIF価格で14.87%)の減少であった。また、一トン当たりの平均FOB価格は433.07ドルで、前年比13.79ドルの減少だった。

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( 翻訳者:守屋仁一、小泉里夏 )
( 記事ID:572 )