ベトナム茶:ブランド力を高め、飛躍へ
2014年02月02日付 VietnamPlus 紙

 ベトナムには、タンクオン(ターイグエン省)、モックチャウ(ソンラー省)、バオロック(ラムドン省)など、高品質で有名なお茶の産地が数多くある。ベトナム茶は105の国と地域に輸出され、生産量、輸出量で世界第5位である。
 しかし、お茶産業の更なる発展のためには、生産者、科学者、管理者、企業がベトナムのお茶産業の発展に引き続き貢献していかなければならない。


 ベトナム茶のブランド発展への投資

 お茶は伝統的な飲み物である。健康への補給になるだけではなく、ベトナムの付き合い文化に欠かせないものである。お茶の木は一度植えると30~40年、あるいはもっと長く収穫することができる。
 現在、全国で約13万ヘクタールの各種の茶畑があり、平均の生産量は1ヘクタールあたり77ター(1ターは約100キロ)で、茶葉の生産量は82万4000トン近くである。
 お茶製品は国内外において、広く、安定した市場がある。ベトナム茶は110の国と地域(訳注:原文ママ)に輸出され、輸出総額は1年に約2億ドルに達する。
 世界経済が多くの困難に直面しているにも関わらず、お茶の輸出は順調に伸びている。
 統計総局のデータによると、2013年の最初の9か月間でお茶の輸出は10万3000トンに達し、その額は1億5千万ドルにも及んだ。昨年初めから今までのベトナム茶の輸出先上位10か国は、台湾(中国)、パキスタン、中国、インドネシア、ロシア、アフガニスタン、アメリカ、イラン、ポーランド、そしてアラブ首長国連邦であった。こうした事実は、ベトナムのお茶産業が徐々に付加価値と生産性を向上させてきたことを示している。
 ベトナムの先端的な生産分野の多くが国際市場でブランド保護の問題を抱えている中で、ベトナム茶のブランドはロシア、ドイツ、中国、パキスタン等の70の市場において登録され保護されている。
 輸出用紅茶OTDと国内市場向け緑茶の主要2種類しかなかったところから、現在ベトナムでは、世界中からの多様な消費需要に応える各種のお茶が揃えられるに到っている。
 全国でお茶を輸出している企業は160社以上あり、主な輸出品は紅茶で(総輸出額の約78%)、残りは緑茶とその他のお茶製品である。
 経済的利益以外にも、お茶は社会的要素も持っている。お茶の木は山間部と丘陵地帯で栽培され、40万戸以上の生産農家をもち、平均で1ヘクタール当たり6800万ドン、場所によっては9000万ドンから1億ドンの収益をもたらす作物である。そのためお茶は、高地の人々にとって飢餓一掃・貧困撲滅と収入増の意味合いを持っている。
 ベトナムのお茶の生産性は世界の平均的水準であるが、その価格は世界平均の60-70%ほどに過ぎない。その主な原因はベトナム産の種類の少なさ、品質や規格が魅力的でないこと、原料の生産と加工が連結していないことが挙げられる。一方、品質や規格に関する輸入国の要求は、日増しに高まっている。
 流通ルートはまだ独自性が希薄で、国内で緑茶の消費需要を掘り起こす広報活動はまだ多くはない。お茶の生産は零細な家族経営的性格を帯び、同一規格性に欠け、人々の意識はまだ高くなく、食品の安全衛生基準が重視されていないところもある。国内市場の情報が不足していることは、生産者と消費者が製品の実勢価格を把握するのを困難にしている。


 お茶業界の堅実な発展への解決策

 お茶栽培地方の開発計画については、お茶生産の仕組みを零細な規模から、生産から加工、消費までをしっかりと管理し、また農民と農民のヨコの連結や農民と企業のタテの連結をしっかりと管理する集中的な方向に転換する必要がある。このことは原料の茶葉の生産性、品質、安全性を高め、全世界の予測困難な市場へ向けての品質と基準数値を保証することになる。
 お茶業界はまた、マーケットの動向に沿って再構築し、地方ごとの利点を活かしたお茶生産を発展させ、生産者と輸出に対する財政的支援の仕組みをつくり、商品生産と証明書付き生産を進め、各企業・各地方に生産地を登録し説明することを奨励しなければならない。
 生産の機械化の推進、商品構造の多様化、生産者と消費者の両者に対する食品安全衛生に関する宣伝強化が必要である。各加工工場は再計画・再整備する必要があり、原料生産地と協力し、「適正製造基準(GMP)」を厳密に適用しなければならない。
 他面、お茶業界は、競争力のある価値を持った商品を集中的に推進し、ブランドの確立と市場での優位を目指すため、市場の需要を研究して把握する必要がある。
 大きな潜在力をもつ国内市場の発展に注力し、世界の人々にベトナムの緑茶に関してもっと知ってもらうために文化を通して国内外の交易促進を強化すると同時に、緑茶の文化的価値を高めて、国内の人々に緑茶消費需要を促進していくべきである。

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( 翻訳者:梅原美希、讃井綾香、小谷岳、中村詩衣奈、小泉里夏、伊牟田梨加 )
( 記事ID:588 )