ベトナムの人口の約15パーセントが精神障害を抱える
2014年04月14日付 VietnamPlus 紙

 ベトナムにおいて現在、人口の約14.9%が精神障害を抱えている。広まっている精神障害には統合失調症、てんかん、うつ病、認知症、心理的発達の障害、アルコール中毒、麻薬中毒、小児期および青年期の行動障害が挙げられる。
 この情報は、4月14日にハノイで開幕された、精神的健康についての「アジア太平洋地域における国際研究訓練ネットワーク」のフォーラムで報告された。
 フォーラムでの報告において、ベトナム保健省のグェン・ヴィエット・ティエン次官は、同フォーラムは精神障害者の生活をより良いものにするためのサービス、研究、訓練に関する地域協力のネットワーク形成のベースになると強調した。同ネットワークは、研究成果や訓練と合致し証拠に基づいた精神的健康のサービスをしっかりと支援し発展させていくものとなる。
 グェン・ヴィエット・ティエン次官は、精神的健康に関する科学的研究や情報の深刻な不足は精神的健康の政策、法律、計画の策定や実施の妨げになっていると明らかにした。2013-2020年の精神的健康に関する世界全体の活動計画の目標を達成することができる、実施可能なしかるべき精神的健康に関する政策、法律、計画を策定するためには、精神的健康に関する研究の推進を強化し証拠を提供することがきわめて必要なことである。
 「現在、精神的健康を管理し見守るシステムをうまく構築しているのはほんの数か国だけであり、一方、このことは各国の経済・社会の発展や安定に少なからぬ影響を与えています。精神障害を持つ患者による多くの重大犯罪も発生していますが、そうした患者たちを有罪にするのは大変な困難が伴います」とグェン・ヴィエット・ティエン次官は強調した。
 そのため、精神的健康を守り増強することは、地域と全世界の諸国家の堅い約束と強い決心、同様にまたすべての政府と国内外の組織のさらなる関心、協調、支援が求められる、長期にわたる戦略的な任務である。
 ロチェスター大学、メルボルン大学、WHO(世界保健機関)、オスロ大学などによる専門技術支援のもと、フォーラムに参加した代表たちは、互いに協力するため、経験を共有し、一緒に討論し、研究における優先事項を確定し、精神的健康について関わり、地域の精神的健康を見守るネットワークを推進した。
 2008年のWHOの報告によると、世界で1億5000万人がうつ病患者であり、1億2500万人がアルコール依存症、4000万人がてんかん、2400万人が認知症である。
 精神および神経障害と薬物使用による障害は、世界中の各地域でとても広まっており、あらゆるコミュニティと年齢層に影響を与えている。この障害は世界中の病気の約14%を占めており、そのうちこの障害の75%を占めているのは低中所得国である。
 従来、精神的健康の改善のため、WHOは各政府、各社会組織、多国間・二国間および世界的パートナーシップの組織、民間団体、研究機関などに、精神的健康分野に関心を集中させるよう呼びかけてきた。
 WHOは、各国が精神的健康に関する政策、戦略、計画、法律、規定を関係するすべての省庁や部門で策定、強化、更新し、実現することを推奨している。つまり基となる計画を作り、関連する組織で協力するわけである。それは、部門間での協力を含み、精神的健康に関連する政策、法律およびサービスの策定と実施において、患者や家族、地域社会の参加を促すものである。
 精神的健康をテーマとした「アジア太平洋地域における国際研究訓練ネットワーク」のフォーラムは、ベトナム保健省医療管理局、ロチェスター大学、メルボルン大学、WHO、オスロ大学が共同で開催したもので、4月15日に終了する。

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( 翻訳者:樋口由里子、坂崎由衣 )
( 記事ID:653 )