島嶼部の村:50%以上の診療所で医師不足
2014年05月31日付 VietnamPlus 紙

 5月31日午前、クアンガイ省(訳注:ベトナム中部)リーソン島県において、島嶼部の医療に関する国家指導委員会が、クアンガイ省人民委員会および保健省と協力して「医療と漁民のプログラム」の開幕式を挙行した。
 式典での発表の中で、グエン・ティ・キム・ティエン保健大臣は、島嶼部における医療の実情は現在も依然として多くの深刻な問題に直面していることを強調した。現在、島嶼部の各県に属する医療センターの31%は個別の建物を持たず、33%以上の診療所は新たに建設する必要がある。また、島嶼部の社(訳注:行政村)にある50%以上の診療所では医師不足の状況にある。その中で、島嶼部地域に住む家族の80%が診療、治療を必要としている。
 ティエン大臣は、現在、島嶼部地域においては主に軍医が医療を担い、残りの医療機関では軍医と連携して民間部門が実施しているものの、これらは脆弱であり、専門の救急搬送隊はなく必要な薬と設備もまだ限定されている点を強調した。
 それに加えて、一部の省庁、部門、地域は「2020年までの海と島における医療の発展計画」の意味を十分に認識していないために、政策スキームは適切できていない。経費や人員は不足し、多くの地方は主体的に(計画を)実施していない。
 こうしたことから、「医療と漁民のプログラム」は主に二つの内容に集中する予定である。一つは、漁民の船のため専用の医薬品箱を備えるための経費を寄付するよう幹部職員、公務員、医療関係の企業、社会の各組織、個人に呼びかけ、働きかけを行う。
 第二の内容は、漁民のため事故、負傷による応急処置の方法を教えるクラスを開講する。島嶼部地域の住民と漁民の健康ケア活動を推進し、漁民の船に救急箱と救急キットを配布する。
式典において、保健省は島嶼部の漁民が所有する300隻の遠洋漁船のため、300組の救急箱と救急キットを配布した。
 医療道具が充分に備えられた300個の救急箱は、クアンガイ省リーソン県の遠洋漁業に従事する漁民たちに直接手渡された。全ての救急箱には綿テープ、救急薬、応急処置用ギブスのような、海上で問題に遭遇した人の応急処置を可能とする医療キットが充分に備えられている。
「2020年までのベトナムの海洋戦略」における各目標の実現を目指し、2013年2月7日、政府首相は、首相決定317号を発出し、「2020年までの海と島における医療発展」の提案を承認した。
 これは、島嶼部地域に位置する28の省、中央直轄市に属する151の区、県、町、市で生活している人々が医療サービスにアクセスしこれを活用するため、医療部門、軍および各省庁と部門の幹部の平等、責任、義務を確保する上で、極めて大きな意味を持つ提案である。
 統計によると、現在、100万人の労働者が約11万9千隻の漁船で働いており、そのうちの2万8千隻の漁船が遠洋漁業に従事している。昼も夜も海に出る漁民たちは、波風、多くの災害、陸から遠いために治療が間に合わないなど健康に関するアクシデントに直面しなければならない。

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( 翻訳者:辛川翔太 )
( 記事ID:841 )