ランソン省:コンソン社のザオ族の人々、電灯を待ち望む
2014年06月23日付 VietnamPlus 紙

 マウソン観光区の近くある、ランソン省カオロック県コンソン社はザオ族が多く居住する貧しい社である。不便な交通、時代遅れの農耕慣習、民度の低さ、電気が通じていないことによって、コンソン社のザオ族の生活は多くの困難にぶつかっている。社には9つの村があるが2つの村にしか電気がなく、大部分の住民はいまだに明かりをとるために灯油ランプや小型の自家発電機を使わなければならない。
 これまでに、134号計画や135号計画(訳注:少数民族に対する経済・社会発展計画)の資金から、コンソン社はインフラに関する基本的投資を受けてきた。社は半寄宿制学級や村の中心部まで伸びる農道を建設した。2005年には、社の中心部まで国家の電力網が通じるようになった。
 ランソン省カオロック県コンソン社ニョットナム村に暮らすホアン・フック・クイー氏の家族は長年薄暗い灯油ランプの明かりの下で暮らしてきたが、現在は生活が大きく変わった。国家の電力網があるおかげで、クイー氏の家族はテレビやその他多くの貴重な生活用品を購入した。
 しかし、長年、電気がある村の数は2つにとどまっている。これらは社の中心に一番近い2つの村である。社全体の世帯数のうち、50%近くにあたる100世帯以上が暮らす残りの7つの村は、いまだに電気がきていない。
 コンソン社人民委員会主席のチエウ・サン・フック氏は次のように述べている。この10年近く、7つの村にはまだ電気がきていない。多くの世帯は貧しく灯油を買うお金がないため、生活に支障をきたしている。さらに、同社は市場から遠く、灯油を買いに市場へ行きたくても、住民は移動に半日かかってしまう。
 ガンパック村に家があり、発電機を所有している世帯の一つであるチエウ・サン・チン氏は次のように話す。村では人々は、渓谷からの電気を使用し、竹筒でつないで機械に接続し家まで電線を引っ張ってきている。使える電気は明かりを灯すのが精いっぱいで、そのため住民は経済を発展させることが困難である。
 ここで暮らす人々によると、雨季には電気は明かりを灯すのに十分あるが、乾季には電気がとても弱く、電灯が灯油ランプより暗い時もある。灯油ランプを使うとなると、1世帯あたり毎月平均5~6リットルの灯油を使うことになるが、ここの住民の収入では1カ月で5~6リットルの灯油を買うためのお金を工面するのは簡単な話ではない。
 生活用電力の不足によって、ここの人々は視聴覚機器や科学に触れることができない。これも同社における貧困世帯の割合がいまだに87%を占める原因のひとつである。
 国家の電力網整備は、経済や社会の発展を促すのに貢献し、国防の安全を保証し、遠隔地域に暮らす少数民族の生活を一歩ずつ向上させるための、党と国家の最重要目標のひとつである。しかし、いまだ多くの場所で住民のもとまで電気が届いていない。コンソン社のザオ族の同胞は一日千秋の思いで電灯を待ち望んでいる。

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( 翻訳者:讃井綾香 )
( 記事ID:894 )