ベトナムは2040年に「人口の黄金期」を終える
2014年12月03日付 VietnamPlus 紙

 国連人口基金(UNFPA)の予測によると、2040年までにベトナムの人口は約1億4百万人に及ぶと見込まれている。この年は、ベトナムが「人口の黄金期」を終え、急激に高齢化が始まる年でもある。こうしたことから、まさにベトナムは、人口の移行期に向け準備計画を策定する機会を捉えなければならない。
 これは、党中央宣伝教育委員会とUNFPAが12月3日にハノイで開催した、「ベトナムの人口と発展の問題とマスメディア」に関するシンポジウムにおいて言及された事柄である。
 現在、ベトナムは「人口の黄金期」(労働人口数が従属人口数よりも高い人口構造)にある。2012年のデータでは、65歳以上の人口はわずか7%のみである一方、労働人口(15歳から64歳まで)が68.9%を占めている。各専門家は、「人口の黄金期」はそれぞれの国家の人口学史上、ただ一度限りしか訪れないと述べる。
 しかし、専門家は、ベトナムにおける「人口の黄金期」が長く続かず、高齢化の過程で2040年から人口が急激に減じていくだろうとも警告する。専門家によると、「人口の黄金期」から得られる機会を最大限活用するため、ベトナムは若年労働者に仕事の機会を創出するよう確保しなければならない。その一方で、労働者は企業のニーズに応える技能と見識を十分身に着けなければならない。
 シンポジウムの発表において、UNFPAベトナム事務所のArthur Erken代表は、ベトナムは「人口の黄金期」にあるが、わずか20年後にはその時代は終わると見込まれることから、ベトナムは今から直ちに若い世代への投資を重視しなければならないと強調する。若年労働者は、近くやって来る高齢化時代に社会経済の発展のため貢献するよう、健康に配慮し優れた技能を身に着けなければならない。
 シンポジウムの中で、専門家は一同に、最も効果的な方法で良質な労働者を活用すべく、労働市場のニーズに対応するよう、雇用の創出のための投資および教育と職業訓練のための投資を奨励する政策を通じて「人口の黄金期」の機会を活用するとの意識を向上させる必要があると述べる。
 党中央宣伝教育委員会副委員長のファム・ヴァン・リン博士は、ベトナムの(労働、仕事、医療、教育、社会保障など)各種発展政策は、適切な政策を推し進めるために年齢に則った人口層の急激な変化を考慮する必要があると述べた。労働者のため十分な雇用を創出し、労働効率を上げることが出来れば、「人口の黄金期」から得られる機会を生かし、「中所得の罠」を回避することができる。

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( 翻訳者:高木陽奈子、榛澤萌 )
( 記事ID:1279 )