海外で就労する女性労働者の権利を守る
2015年04月03日付 VietnamPlus 紙

 4月3日にハノイにて、「海外で就労するベトナム人女性たちの権利の増大」プロジェクトの枠組みにおいて、海外労働管理局(労働傷病兵社会省)はジェンダー平等と女性エンパワーメントのための国連機関(UN Women)と提携し、海外で就労する女性労働者の権利保護に関する政策対話ワークショップを開催した。
 ワークショップでは、ベトナムはアジア太平洋地域で働く労働者数が日増しに増加している国家であり、現在50万人のベトナム人が世界40か国以上で就労しているとされた。
 この5年間、平均して毎年9万人の労働者が海外に出ており、このうち女性労働者は総労働者数の30~35%を占めている。
 海外で就労する女性労働者の数は増加傾向にある。具体的には、2014年に初めてベトナムの海外で就労する労働者数が10万人を超え、そのうちの37.5%を女性が占めた。
 海外で就労するベトナム人女性の主な職業は、台湾、韓国、マレーシア、日本、サウジアラビア、キプロス共和国の市場における家政婦、看護師、介護士、ホテル従業員、縫製工、織工、電子機器組立工である。
 男性がするように女性も海外で就労することで専門の見識、外国語のレベルを高めることができ、日に日にプロとしての経験を積めるだけでなく、さらには家族の生活を改善するための収入を得ることができる。
 海外労働管理局のファム・ヴェト・フオン副局長によると、海外で就労するベトナム人女性労働者は、家族や地方の生活レベルの向上に貢献している。
 海外労働管理局は海外へ労働者を派遣している企業の一層の組織化と効果的管理を推進するとともに、海外で就労するベトナム人労働者の合法的な権利や利益を守るための各措置を講じることを優先している。
 ベトナム政府は労働者の権利を守るため各労働者の受け入れ国の政府とも積極的に協力している。
 多くの代表が、海外で就労するベトナム人女性労働者の数は日に日に増加しているが、現在彼らのための固有の政策はまだないと考えている。現在制定されている各法律や政策は男性と女性すべての労働者に対しての共通のもので、女性労働者のための特別固有の政策は存在しない。
 女性が海外で就労する際に直面せざるを得ない困難やリスクは通常男性の労働者よりも多い。多くの女性は海外で就労する際に労働力を搾取されたり、損害をこうむったり、暴力を受けたり賃金が払われなかったりしてきた。
 帰国後も、女性たちが再度社会に溶け込むのは困難で、各種サービス、中でも雇用サポートに関するサービスにアクセスするのが難しい。社会の偏見とジェンダーに対する通念は今も重く、多くの女性が帰国後、子供の養育を家族や親族と分かち合えずにいる。
 UN Womenベトナムの石川祥子代表は、「5年前、UN Womenは海外労働管理局やベトナムの関連機関と協力して、『海外での女性の契約就労の権利向上』プロジェクトを展開したと述べた。
 プロジェクトは男女平等に関する知見の向上、海外労働者派遣事業を行う幹部、管理者、企業の能力強化などの活動に重点を置いている。プロジェクトはベトナムが海外で就労する女性労働者の権利を最良の形で保証できるよう、政策と実際の業務のやり方を変えるものと期待されている。
 帰国した海外で就労した労働者の平等の原則を保証する政策を追加・修正したり、具体的な優遇政策・体制実施において関連機関と調整し、労働者の派遣企業が帰国後の労働者が労働市場に再参入できるようにする支援に参加することを奨励したり、海外で就労した労働者の帰国者の情報の記録書類やデータベース構築が必要である、中でも女性の海外での就労時や帰国後に遭遇しうるリスクを減少するために、早めの干渉が必要だという意見が打ち出された。

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( 翻訳者:亀上楓、佐山愛、李品萱 )
( 記事ID:1324 )