ベトナムのファッション業界:デザイナーは同時に経営者であるべき
2015年04月18日付 VietnamPlus 紙

 4月18日午前、ハノイのデウホテルにおいて、ハノイ市人民委員会、ハノイ市商工会議所および貿易促進センター(HTPC)が、(ベトナムのファッション産業の)確立と発展の方向性をテーマにファッション産業の国際シンポジウムを開催した。
 この10年間、ベトナムにおいてクリエイティブな産業の一つであるファッション産業は力強い転換と発展ぶりを示してきた。特に、紡績と皮革産業は欧米などに市場を拡大している。
 現在、全国で2,000社以上もの縫製会社が営まれており、2014年の紡績分野での総輸出額は240億米ドルであった。それにもかかわらず、足並みが揃わず積極性に欠けていることが影響して、ベトナムにおけるファッション産業の発展スピードは非常に遅い。
 国内市場に多くのファッションブランドがないため消費者の関心も薄い。こうしたことから、ベトナムにおけるクリエイティブ業界の発展と結びつくかたちで、ファッション産業を確立することの重要性を認識することが求められている。
 そのため、このシンポジウムでは、ベトナムのファッション産業は国際統合のトレンドのなかで、インフラを構築することから着手する必要があり、幾多の挑戦とチャンスを経て、ベトナムのファッション産業を国際市場に引き上げることが重要と確認された。
 ハノイ市商工会議所のレ・ホン・タン局長は、このシンポジウムは、将来に向け首都ハノイだけでなくベトナム全体のファッション産業の発展を推進することが目的であると同時に、ハノイ市の貿易促進においても重要な意義を持つ最初の一歩であると述べた。
 シンポジウムでは、それぞれのデザイナーは自らを紙や布でデザインを表現する単なるデザイナーと見ているが、デザイナーはファッション産業において直接的に重要な役割を果たすと同時に経営者でもあるとして、こうした(単なるデザイナーとしての)立場にとどまらず、 「躊躇せずに」、 自らのファッションブランドに対し長期的な戦略性を持って投資する真の経営者のようでなければならないと指摘された。
 デザイナーたちは、小売りの顧客にとどまらず多くの対象者に向け商品を取引する市場を望むとともに、国内外でのファッションショーの機会を得ることを期待している。
 ベトナムのファッション業界市場の促進には業界全体が足並みを揃えることが必要である。重要な問題のひとつが人材(デザイナー)であり、市場が有名ブランドを通してデザイナーを認識するときは特にそうである。
 ロンドンのデザイン専門学校のデザイン専攻科長のメイ・コータッツィはベトナムのファッション産業は急速に成長しており、国際的なファッション、音楽、アート、生活様式に影響を受けた若者が増えていると述べた。
 「こうしたことから、我々は、学生に経験を共有しベトナムのファッション産業に対する親愛を伝え、学生が起業してベトナムファッション業界のみならず国際的にも成功を収めるよう、新たな様式を発展させていくことが講師としての役割である」とメイ・コータッツィ講師は語った。
 こうしたなか、ファッションブランド「ビアンコ・レヴリン・リッカールド」の経営者であるリッカールド・ビアンコ・レヴリン氏は、ファッション業界をゆるぎなく発展させるため、現在、各ベトナム企業は、天然素材を使用し、クリエイティブなデザインで環境にやさしい製品が増加傾向にある国際市場において受け入れられ競争していくための良いチャンスを手にしていると述べた。

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( 翻訳者:佐久間凱士、榛澤萌 )
( 記事ID:1405 )