1200万人近くのベトナム人がマラリア感染地域に暮らす
2015年04月25日付 VietnamPlus 紙

 WHO(世界保健機関)西太平洋地域事務局の統計によると、ベトナムでは人口の約13%にあたる1170万人の人々がマラリア感染区域に暮らしている。
 上の情報はWHO西太平洋地域事務局が提出した、近年得られたマラリア予防成果の強化と、マラリアのない地域を目指し取り組みを加速させることを世界マラリアデー(4月25日)に合わせ喚起した文書中のものである。
 今年の世界マラリアデーには、「未来に投資しよう、マラリアを撲滅しよう」という主題が出されている。
 「ベトナムに隣接する各国との国境を越えた協力がマラリア撲滅には不可欠である」と在ベトナムWHO事務所所長の Jeffery Kobza氏は述べている。
 WHOの世界マラリア報告書 2014によると、ベトナムでは 2000年から 2013年の間にマラリア罹患者数は 75%以上減少した。またその間マラリアによる死亡率は 90%以上減少した。
 Kobza氏は「ベトナムの成果はとても印象的だ。しかしこれらの成果を長期的なマラリア撲滅につなげるためにはWHOや政府、援助組織、市民社会組織間のより良い協力と重点戦略が必要不可欠だ。現時点で我々は、まだマラリア撲滅に関する成果に満足することはできない」と述べた。
 ベトナムでは、マラリアは現在中部高原、中部の海岸沿いと南東部の各省で主に感染している。熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falcipalm)と三日熱マラリア原虫(Plasmodium vivax)が最も一般的なマラリア寄生虫だ。主に少数民族や移動民、森で生活し焼畑を行う人々に発生しやすい。
 地球上では、約32億人がいまだマラリアのリスクに脅かされ、そのうち12億人が特に高いリスクに直面している。西太平洋地域では7.12億人、すなわち人口の40%がマラリアのリスクのある地域に生活している。ベトナムでは1170万人(人口の13%)がマラリア感染地域で生活しているのだ。
 2015年はマラリアと各新戦略にとって大切な年となる。マラリアのないベトナム、が提起されているからだ。
 ベトナムと大メコン圏(GMS)において多剤耐性マラリアに対処するため、WHO東南アジア地域事務局と西太平洋地域事務局は、他GMS諸国や関係組織と一緒に2015‐2030年のマラリア撲滅戦略案を作成した。
 この戦略は強力な協力関係を象徴する6国間の共同の努力であり、今年の国際医療共同大会会期中の小会議で始動する予定だ。この戦略は、薬物耐性の問題の解決と、ベトナムとGMS構成国におけるマラリア撲滅努力の促進を目指すもので、危険性の高い人口グループ、中でも罹患しやすい人々、移動民、地方の人達の保護と同時に多剤耐性マラリアの感染防止に重点を置いている。
 昨年末、東アジアサミットで各国の代表は、アジア太平洋地域において2030年までにマラリアを確実に撲滅することを宣言した。WHOはアジア太平洋代表者抗マラリア連盟APLMAに対して、2030年の目標達成に向けて指導するスケジュールを策定するための技術支援を行っている。
 ベトナムでは、WHOベトナム事務所がベトナムマラリア予防国家プログラムやその他のパートナーと提携し、技術支援と地域や世界規模の戦略をベトナムに合った行動計画に取り入れる活動をしている。

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( 翻訳者:旭泰広、奥山貴子、添田樹紀 )
( 記事ID:1435 )