国際的な学者ら、南シナ海と「牛舌ライン」について討論
2015年05月05日付 VietnamPlus 紙

 南シナ海に関するシンポジウムが5月4日、ニューヨークで開催された。著名な学者らによる発表が行われ、各国の外交官、アメリカの研究所や大学の研究者らが多数参加した。
 シンポジウムのテーマは、「南シナ海での衝突-法律・政治・外交」で、ニューヨークに拠点を置く雑誌 Journal of Political Risk (JPR) が主催した。
 シンポジウムには、国連加盟各国の外交官、アメリカ北東部の大学、研究所の学者や研究者ら約100人が招待された。
 また、『やがて中国の崩壊が始まる』の著者ゴードン・G・チャン、『南シナ海-アジアの権力闘争』の著者ビル・ハイトン、米戦力国際問題研究所(CSIS)のグレゴリー・ポーリング、ニューヨーク大学のデービッド・デヌーンなど、南シナ海問題の第一人者らが参加した。
 シンポジウムでは、南シナ海での領海紛争に関する様々な論点が学者らによって議論され、その中には、「牛舌ライン」や国際法、中国が行っている南シナ海での島の埋め立ての戦略意義や環境への影響などの問題もあった。
 シンポジウムを主催したJPR編集長のアンダース・コアー博士は、国営ベトナム通信(TTXVN)のアメリカ特派員によるインタビューに対し、「我々は、主に三つのテーマについて討論した。即ち、『牛舌ライン』、国際法、中国が行っている南シナ海での島の埋め立ての戦略意義や環境への影響-である。シンポジウムでは、多くの点で意見の一致を見たと考えている。少なくとも、今日参加した学者らは、中国が現在、南シナ海で行っていることは深刻な問題だと指摘している」と答えた。
 アンダース氏によると、学者らは、南シナ海問題の国際法に基づいた平和的手法による解決のために、紛争の関係国がとるべき様々な選択肢や可能性についても議論した。
 さらに、同氏によれば、シンポジウムでの討論は編集され、南シナ海に関する書物としてアメリカの権威ある出版社から刊行されるという。
 また、シンポジウムでは学者らが現在の紛争解決に向けた建設的な提案をした。米コロラド大学の学者であるベンジャミン・パーサー氏は、現在の南シナ海紛争を解決に向けて前進させるためには、国際裁判所が「南シナ海での小さな島や人工島には経済的、資源的特権といった法的地位は付与されない」といった判決を出す必要があると指摘した。
 また、ニューヨーク大学のデービッド・デヌーン教授は、1996年に国際交渉雑誌に掲載された文章の中で発表した「均等分割」論について言及した。
 しかし、同教授によれば、中国政府はいかなるアプローチにも関心を示さないだろうという。なぜならば、南シナ海における中国と関係各国との紛争で、主権に関わる主張の話になると、中国は「すべてを得ようとする」からである。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:石前亜希、松本美里、李品萱 )
( 記事ID:1499 )