移住女性労働者の生活条件は多くの困難にぶつかっている
2015年06月03日付 VietnamPlus 紙

 6月3日ドンナイ省にて、社会労働科学院(労働・傷病兵・社会問題省)はヨーロッパの「貿易・投資政策支援プロジェクト」と合同で、外国直接投資(FDI)を受け入れている企業における移住女性労働者の収入と生活条件の調査について公表し報告するシンポジウムを開催した。
 この調査は、ヨーロッパ市場に輸出している企業を中心に、FDIを受け入れている企業で働く移住女性労働者の収入増加や、より良い安定した暮らしに向けた政策の策定を支援することを目的としている。
 この調査・研究は、バックニン省、ドンナイ省、そしてホーチミン市の3地域において、2014年の暮れに実施された。
 それぞれの地域において、研究グループは13の企業(そのうちFDIを受けた企業10社、受けていない企業3社)で調査を実施した。これらの企業はヨーロッパに輸出しており、縫製、皮革・靴、水産、食品加工など、多くの女性労働者を抱えている業種に集中している。
 評価によると、現在、工業団地や加工区で稼働しているFDI企業で働く労働者は、そのほとんどが様々な地域からの移住労働者で、中でも女性労働者の割合はかなり多く、主に縫製、皮革・靴、電子、食品加工などの業種に従事している。
 新しい居住区域において給料を受け取っているものの、移民は、住宅、教育、医療、生活費などの支出によって、生活上の多くの困難を抱えている。
 この調査・研究では移住女性労働者の給料、その使い道、現在の生活状況、将来の予定、その他家族や子供の問題といった、若干の主要な問題に焦点を当てている。
 バックニン省、ドンナイ省、そしてホーチミン市の企業で行われたプロジェクトでの調査研究の結果、FDI企業での女性労働者の平均所得額は、月額一人当たり約500万ドンであった。
給料や残業手当、諸手当、賞与などが主な収入源である。これらの企業における女性労働者の所得額は、FDIを受けていない企業で働く女性労働者や、男性の平均所得額を下回る結果となった。
 労働保険を考慮しても、移住女性労働者の加入率は地元の女性労働者よりも低い(84.8%と95.7%)。移住女性労働者の住宅取得の問題や子どもの教育、健康・医療に関する問題は、いまだに多くの課題が残されている。
 FDI企業の移住女性労働者が学校や保育園に子ども入れるのが困難な状況は69.1%である。一方、FDIを受けていない企業の移住女性労働者の場合は3.7%、地元の女性労働者の場合は1.1%である。
 移住女性労働者が子どもに教育受けさせるのが難しい原因は、経済的困難や、本籍地と職場が離れていて行政手続きが困難なことである。
 社会労働科学院の社会福祉政策研究室長であるブイ・シ・トゥアン博士は、労働・傷病兵・社会問題省が仕事を求めて各地域から都市へ来る労働者を手助けするために、労働者を応募・選抜する移住労働者受け入れ機関を発達させる仕組みを研究する必要があると述べた。
 同省はまたFDI企業により優れた労働者の派遣を保証するために、より質の高い職業訓練・職業教育に刷新する必要があると述べた。超過勤務や特殊労働、女性労働者、移住労働者の政策のような労働者に関する法律の規定を整備するための研究も必要である。というのはこれらの労働者たちは損失を受けやすく、支援の必要があるからである。
 バクニン省工業団地管理委員会代表のホアン・ティ・トゥー・ハイ氏は、バクニン省は18万9000人以上の労働者を抱えており、そのうち13万人近くが女性労働者であると述べた。移住女性労働者にとっての住居や医療、精神ケアの問題はまだ十分に取り組まれていない。
 したがって、工業団地の従業員のための保育園、学校、住宅といった社会的インフラ・サービスを発展させるためには、予算からの投資あるいは社会化が必要である。その中でも移住女性労働者を優先する必要がある。
 ホーチミン市人材需要予測・労働市場情報センター副所長のトラン・アイン・トゥアン氏によると、現在ホーチミン市は約89万人の女性労働者がいる。
 移住女性労働者の大多数は困難な状況にあり、教育レベルや職業専門的レベルが低く、労働集約的な企業で働き、低所得である。
 予測によると、今後約10年間でホーチミン市は毎年27万人の労働者が必要となり、そのうち50%以上が女性労働者である。
 そのため、移住労働者、特に女性労働者のための資金援助プログラムの拡充は、移住女性労働者が住居や他のサービスを利用する際に役に立つだろう。
 また、国家や企業は移住女性労働者を支援するための政策や方法に関する他の条件をつくる必要がある。

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( 翻訳者:佐久間凱士、高見彩華 )
( 記事ID:1547 )