職場でのセクシュアルハラスメントに対する規則集の公布
2015年05月25日付 VietnamPlus 紙

 5月25日午前ハノイにて、ベトナムの職場でのセクシュアルハラスメント(セクハラ)に対する規則集が公布された。この規則集は、政府、雇用主、労働者が具体的なガイドラインを通じて職場でのセクハラを識別・防止・処分できるよう支援することを目的としている。
 この規則集は労働傷病兵社会省、ベトナム労働総同盟、ベトナム商工会議所によって製作、保証されている。この規則集は公共民間部門問わず自主的にすべての事業者に適用されることを奨励している。
 2012年労働法は職場でのセクハラは厳禁行為であると規定している。しかしながら労働傷病兵社会省ファム・ミン・フアン副大臣によれば、既出の規範は今だに一般的なもので、セクハラを識別するためのガイドラインの文書・資料が不足しており具体的ではないため、実際にはセクハラの予防・処分にはいまだにたくさんの困難がある。
 この規則集は、雇用主と労働者が職場の内規や規則と重ね合わせて職場でのセクハラ防止の基盤にできるようにし、労使関係の調和的発展、職場環境の健全・安全・効率と質の向上を支援するためのものである。
 規則集製作の過程においては、国際労働機関(ILO)が援助し、世界の既存のセクハラ防止規制集を参考にした。規則集は政府・雇用主の組織・労働組合・労働者に対し、セクハラとは何か、どのように防止すべきかについて具体的なガイドラインを提示している。
 規則集は、セクハラの定義に始まり、労働者や雇用主はセクハラが起こった場合にどのように処分するのか、内規でセクハラをどのように厳禁するのかなどを指南している。さらに労働者もセクハラに対する抗議の過程を指南されている。
 ILOベトナム事務所のジェルジュ・シラツキ所長は、この規則集の公布は、職場における性差に基づく暴力への抵抗運動におけるベトナムの一歩前進であると評価した。
 ジェルジュ・シラツキ所長は、セクハラとは被害者の精神や身体にストレスを生じさせるだけでなく、彼らの仕事の可能性に影響を与え、企業の労働能率や競争能力を低下させる。ILOは労働者と企業双方の利益のために、職場におけるこの敏感な問題を解決すべく、いくつかの法律の欠けた部分を改善する過程上、ベトナムと共同で作業していくであろうと述べた。
 ベトナム労働総同盟マイ・ドゥック・チン副主席とベトナム商工会議所ホアン・クアン・フォン副主席は協力しあって、職場においてセクハラ行為を許さない文化を創り出すよう規則集を効果的に実施することを約束した。
 労働傷病兵社会省がILOの支援で2012年に実施したある研究によれば、ベトナムでセクハラを受けている被害者の大部分が18から30歳の女性労働者である。しかしながら、文化的要素や仕事を失うことへの恐れが被害者にセクハラの報告を出させないでいる。

*規則集の定義によれば、セクハラとは女性および男性の品格に影響を及ぼす性的な行為であり、これは受ける人を傷つけ、職場を不穏で恐ろしい敵対的で不快な環境にする許されない、望まれない、不合理な行為である。

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( 翻訳者:亀上楓、佐山愛、安井理絵 )
( 記事ID:1550 )