在外ベトナム人専門家のネットワークづくり
2015年06月24日付 VietnamPlus 紙

 科学技術省は6月24日クアンニン省で「在外ベトナム人専門家のネットワークづくり」に関するシンポジウムを開催した。
 シンポジウムには、科学技術省の幹部や各国の専門家、アメリカ・日本・フランス・イギリス・オーストラリア・ニュージーランド・シンガポールなどに住むベトナム人、世界銀行、在外ベトナム人連絡会、関係省庁の関係者など70人以上が参加した。
 シンポジウムに参加した科学技術省のチャン・ダック・ヒエン人事組織局長は、在外ベトナム人の科学専門家の関心を引き寄せ、そのネットワークの役割を発揮するためにも、専門家を必要としている優先的な科学・技術分野を明確にする必要があり、また、分野ごとに必要とされる専門家の基準を設けることが必要だと述べた。
 国は、科学・技術の専門家らが帰国した時のために、給与やその他の諸手当などを含めた画期的な待遇措置や、より良い勤務環境を提供するための具体的な政策を打ち出す必要がある。また、在外ベトナム人知識人に対する呼びかけ、働きかけの方法を多様化し、効率を高める必要がある。中でも若手の知識人や、とりわけ海外の科学・技術コミュニティで評判が高く、大きな影響力のある知識人への積極的な接触、働きかけに注意を払う必要がある。
 オーストラリアのガーヴァン医学研究所のグエン・ヴァン・トゥアン教授・博士は、そうした意見に賛同した上で、在外ベトナム人科学者の帰国・就労の環境を整えるためには、次の五つの主要目標に留意する必要があるという。①優秀な科学者層を増やし、養成すること。②そうした科学者が確実な仕事ができるよう保障すること。③若い科学者を鍛錬するための知的環境と物質的インフラを整備すること。④技術移転や研究成果の生産活動などへの実践的応用を奨励し、それによって、国の競争力を向上させること。⑤科学者が政府機関やテクノロジー会社と互いに作用しあえるよう奨励するとともに、そのための環境を整えること。
 統計によると、在外ベトナム人総数400万人近くの内、40万人以上が大卒レベルで、その多くが様々な分野の優れた専門家であり、海外の大学や研究所、あるいは主要な会社で働いている。彼らの多くは、科学・技術の発展や創造的革新における重要な貢献から、それぞれの国で重用されている。
 年平均約200人の在外ベトナム人科学者が帰国し、講義を行い、各共同研究テーマやプロジェクトを実施したり、技術移転や企業の開発投資協力を行ったりしている。彼らは祖国にとって極めて注目すべきかつ貴重な知的源泉であり、彼らをうまく動員し、その源泉を適切に発揮できれば、科学・技術の発展や創造的革新ばかりでなく、祖国の社会経済の発展にも資するものとなる。
 シンポジウムでは、そうしたネットワークの必要性や重要性から、構築・組織化・効率的な運用に至るまでの各問題について、20件以上もの報告がなされた。今回のシンポジウムは、学術研究に関わる在外ベトナム人の科学者や知識人さらには外国人の友人を、ベトナム国内の生活の実態に結びつけるという点で、極めて重要な意義をもつものである。
 シンポジウムでは、在外ベトナム人の知的源泉を国内の社会や生活の実態に結びつけるための初の提案が行われるものと期待されている。そして、シンポジウムで共有され、議論の展開に寄与した様々な意見、そして、その議論でのやり取りは、ベトナムの政策立案を担う人々が今後、優れた在外ベトナム人の知識人や専門家に帰国して働いてもらうための体制や政策を改善する際の基礎となるであろう。
 シンポジウムは、「研究や科学・技術を通じた創造的革新の推進」プロジェクトの一環で、世界銀行の援助による、科学技術省初の科学技術関連プロジェクトである。
 プロジェクトの目標は、科学者コミュニティの創造力を生かし、科学研究と市場を結びつけるための各種政策を通して、ベトナムにおける科学・技術と創造的革新を支援することである。また、プロジェクトは、企業の実践的課題の解決のため、企業が中心となり、そして、国内外の科学者は企業が科学・技術や創造的革新にアクセスできるよう支援する信頼できかつ効果的なパートナーになり得るという考え方に基づいて作られている。

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( 翻訳者:菊地紗希、窪田真人 )
( 記事ID:1648 )