在ニュージーランド・ベトナム大使館、南シナ海情勢に関する講演会開催
2015年10月14日付 VietnamPlus 紙

 在ニュージーランド・ベトナム大使館は10月12日ウェリントンで、ニュージーランドのマッセー大学 国防安全保障研究センターとの共催による、ベトナムの研究者から見た「南シナ海の緊張状態」に関する講演会を行った。
 ニュージーランドのトップクラスの大学であるマッセー大学がベトナム外交学院の代表団を招き、ニュージーランドで南シナ海情勢に関する講演会を行うのは、これが初めてである。
 ベトナム外交学院南シナ海研究所 副所長のグエン・ラン・アイン博士の講演は、主に、問題の歴史的起源、最近の動きに関する最新の情報や映像、南シナ海における緊張状態の原因や影響、南シナ海での紛争の管理や解決の見通し等に焦点が当てられた。
 グエン・ラン・アイン博士によると、最近の南シナ海情勢の緊張化や様々な変化の中で、南シナ海の平和、安定、治安、安全、そして、航海・航空の自由を維持し、共通の利益を保障するためにも、関係当事国は、自制し、南シナ海の現状を変えようとする一方的な政策は行わないなどの努力をする必要がある。
 海底地震探査船バイキング2号(2011年6月)やビンミン2号(2011年5月および2012年11月)の調査用ケーブルの切断、ベトナム漁船の不法拿捕、ベトナムの排他的経済水域での漁業に関する法規の一方的適用、ベトナムの排他的経済水域および大陸棚での石油掘削装置HD981の違法設置(2014年5月)、南シナ海の係争区域での大規模な人口島の建設・造成-等の行為は、国際法に反しているだけでなく、疑念を増幅させ、状況を複雑化し、衝突につながりかねない。
 よって、1982年の国連海洋法条約をはじめとする国際法を遵守し、南シナ海における関係国の行動に関する宣言(行動宣言/DOC)を厳格かつ十分に実施し、南シナ海行動規範(COC)策定に向けた実質的な交渉を進め、ASEAN地域フォーラム(ARF)、ASEAN国防相会議(ADMM)、ASEAN拡大国防相会議(ADMM+)、東アジアサミット(EAS)など、ASEANが中心的役割を担う多国間のフォーラムや枠組みでの協力を促進し、南シナ海に関する各国の主張・要求を明らかにし、国際法に照らして調整していく必要がある。
 講演後、グエン・ラン・アイン博士は質疑応答の時間を設け、出席者の質問に答えた。
 今回の講演は、ウェリントンにある各大学の教授、講師、学生、外交団や関係省庁の関係者、駐在の記者など100名以上が参加し、参加者にとっては、南シナ海における現在の緊張状態の原因や動向をより明確に理解する機会となり、有益なものであった。

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( 翻訳者:佐久間凱士 )
( 記事ID:1936 )