TPP 協定後、”Made in Vietnam”の多くの製品が早期に出現するだろう
2015年10月20日付 VietnamPlus 紙

 もしアメリカや他の国々がTPP 協定を批准したら、ベトナムの縫製品・靴製品の生産活動はより活発になるだろう。
 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、NIKEのような世界的に有名な多くの衣料品大企業が、中国の半分の賃金で豊富な若い労働力を活用するためにロンアン省に大規模な生産工場を建設した。
 ベトナムで最も人口の多い都市であるホーチミン市の南に位置するロンアン省には、10を超える工業団地があり、今も外国企業を誘致する勢いにのっている。今年5月までに、ロンアン省は36億7千万ドル相当の外国投資を誘致し、このうちの40%が縫製分野への投資である。
 経済学者たちは、もしアメリカとその他11か国が、10月に交渉が終了した新たな転換期としての性格を持つ貿易合意である環太平洋戦略的経済協定(TPP )を批准したならば、この成長はより早いスピードに達するだろうと述べている。
 この協定は、参加国間の多くの関税障壁を撤廃し、ベトナムやマレーシアのような成長を主に輸出に依存している発展途上の国々に大きな利益をもたらすだろう。
 世界最大の衣料品ラベルメーカーの一つである、アメリカ、カリフォルニアに本社を置くエイブリィ・デニソン・グループ副社長のフランク・スミゲルスキー氏は、もしTPP 協定が通ればこれは「素晴らしい機会」になるだろうと述べた。
 去る7月、エイブリィ・デニソン・グループはロンアン省に27000㎡以上の広さの工場を建て、野外スポーツウェア会社のNorth Faceや日本の有名なファッションメーカー、ユニクロの商品に衣料品ラベルをつける業務を始めた。
 「TPP は多くの衣料品メーカーがここに工場をつくることを促すだろう。工場が多くできるほど、私達は利益を得るだろう」と、スミゲルスキー氏は述べた。
 中国におけるコストの高騰と労働力不足により、投資家たちにとってベトナムが魅力的な投資先になりつつある。昨年のベトナムへの外国からの直接投資額は124億ドルであり、2009年に比べて25%近く上昇している。
 最も多くベトナムに投資しているメーカーのひとつは韓国のサムスン電子である。サムスンは、ベトナムの電子機器生産工場への投資額を現在(45億ドル)の二倍にすることを計画している。
 ワシントン(アメリカ)に本社をもつピーターソン国際経済研究院は、TPP が通ればベトナムの経済は、アメリカや日本のようなより大きな市場にアプローチする機会を通して最も大きな利益を受けるだろうと述べた。
 ベトナム政府は、TPPはベトナムの国内総生産(GDP)を10年で335億ドル、つまり現在の20%近く増加させるだろうと見積もっている。衣料品や靴の輸出利益は、関税の垣根が徐々に無くなり0になる2025年には1650億ドル(46%相当)まで上がると見ている。

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( 翻訳者:小池優佳 )
( 記事ID:1946 )