サッポロ・ベトナム、環境と品質についての透明性を確保
2015年10月29日付 VietnamPlus 紙

 ロンアン省でのサッポロ・ビール生産プロセス体験ツアーは、糖化液を作り、ろ過するといった仕込みの工程から沸騰、発酵させ、ビールを熟成させる工程まで、ビール生産プロセスのほとんどすべての工程を実際に体験する機会である。サッポロ・ベトナムの工場では、糖化などの仕込みラインは日本の基準に沿った最新の設備が装備されている。
 サッポロ・ベトナムの生産プロセスで特に他と異なる点は、仕込みのすべての工程で麦汁の酸化を最小限にするという独自のフレッシュキープ製法である。具体的には、タンクに原料を直接流し込むのではなく、タンクの中で原料を混ぜるというもので、サッポロ・ベトナムは原料をタンクの底に注入し、酸化を抑制するシステムを持っている。また、気泡ができやすい、ビールを上から下に直接流し込む方法ではなく、仕込槽からろ過槽に直接移す工程を採用している。サッポロ・ベトナムは麦汁を下方から直接移せるラインを運用していて、気泡の発生や麦汁への酸素の侵入を抑制している。
 精粋なビールの味わいを139年間維持し続けるには、先進テクノロジーの助けだけではなく、人も不可欠な要素である。ツアーの中で、記者たちは品質検査室で二種類の異なるビールを直接試飲することができた。一つはまだ酵母が残っている熟成中のビールで、もう一つは市場に出荷するためにろ過したビール。明らかに異なるのはその風味で、ろ過されたビールがとてもきめこまかいことの証拠である。市場に出荷されるビールはすべて最高の基準により厳しく管理されている。
 特筆すべきは工場の廃水処理システムである。ロンアン省にあるサッポロ・ベトナムのビール工場の代表である小岩達也氏によると、同システムは一昼夜で1800立法メートルの廃水を処理できるA基準の能力があるという。サッポロ・ベトナムは自動廃水観測設備を導入したロンアン省で初めての工場である。設備は10分毎に自動的に廃水の解析を行い、外部に排出できる廃水の質に関連した基準値が記憶された装置で管理し、処理水が規定の基準を維持できるようにしている。この廃水処理システムにかかる総コストは300万ドルを越える。
 工場で働く職員によると、廃水処理後の処理水は植木や芝生の水やり、魚の養殖など、きれいな水でなければ使うことのできない用途にも使用されている。
 最近のM&A市場のホットな話題として、日本のサッポロ・インターナショナル株式会社がVinatabaからサッポロ・ベトナムの残りの株式29%をすべて購入したことである。2015年9月11日からサッポロ・ベトナムのすべての株式は正式に日本側の所有となった。これは同社の発展にとって画期的な新たな一歩となる非常に大きな意味を持つものである。
 マスコミの質問に対し、サッポロ・ベトナムは新たな戦略的刷新を準備していると明らかにした。具体的には、パッケージ・デザインや品質などを含めた製品の刷新や工場の生産性の拡大などの戦略だという。現在、工場の生産性は年間約4000万リットルの第1段階にある。投資がより一層増え、段階的に第2段階に移れば、生産性は年間約1億リットルまで拡大される。
 顧客へのアプローチについて、同社は消費者や代理店が製品を試すことができるような支援や双方向のプログラムの展開を計画している。そうしたプログラムを通じて、すべての人にサッポロ・ビールの品質の違いをはっきりと感じてもらえるという。
 その画期的な刷新の詳細に関しては、来る2015年10月30日にサッポロ・ベトナムから発表される。

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( 翻訳者:小池優佳 )
( 記事ID:2161 )