マレーシア、フィリピン周辺海域での海賊行為に警戒するようベトナムの船舶に警告
2016年05月04日付 VietnamPlus 紙

 ベトナム国家海事局は、ReCAAP(アジア海賊対策地域協力協定)の情報共有センター(ISC)からの特別報告を受け、各港湾当局に対し、マレーシアのサバ州東部およびフィリピン南部の海域で最近、船舶に対する海賊行為が発生していることを、すべての船主、海洋船舶の管理運航会社に速やかに通報するよう要請した。
 また、国家海事局は、船主、海洋船舶の管理運航会社に対し、ベトナム検船局が認可した航海安全計画を厳守し、特にReCAAPが出した報告の勧告を重視し、国際航路、特に同海域を通過するベトナムの船舶が安全に係わる事故に巻き込まれないよう万全を期すよう要請した。
 これより先、フィリピンのReCAAPの情報提供者がReCAAP情報共有センターに通報してきたところによると、3月26日から4月15日までの約3週間に、サバ州東部およびフィリピン南部の海域で船舶の乗組員が拉致される事件が3件起きている。襲撃されたのは、3月26日のBrahma 12号、4月1日のMassive6号、そして、4月15日のバージ船Christiを曳航していたHenry号。
 3月26日の事件は、石炭7000トンを積んだインドネシアの船舶Brahma 12号が高速ボートで近づいてきた銃を持った強盗17人に突如襲撃され、乗組員10人全員が拉致され、船舶は放棄されたものの、身代金として5000万ペソ(145万シンガポールドル)が要求されたもの。
4月1日の事件は、乗組員8人のマレーシアの船舶Massive6号が高速艇で近づいてきた銃を持った強盗8人に襲撃され、4人が拉致されたもの。さらに、4月15日の事件は、インドネシアの船舶Henry号が高速艇で近づいてきた数人の武装強盗に銃で襲撃され、乗組員1人が負傷し、他の4人が拉致されたもの。
 同様の事件を防ぐため、マレーシア政府は、サバ州東部およびフィリピン南部の海域の商用利用を一時的に禁止した。フィリピン、マレーシアの関係当局は海賊事件の防止策を協議するための会合を開催するとしている。
 また、ReCAAP情報共有センターは、関係する沿岸国の関係当局、港湾当局に対し、引き続き監視を強化し、パトロールを積極的に実施するよう勧告するとともに、船主、船舶会社に対し、各船舶が同海域を航行する際には警戒を高めるべく指導するよう奨励した。
 一部の情報がなお確認段階にあることもあり、フィリピン沿岸警備隊は、各地方のインテリジェンス組織とともに、事件の動向や拉致されている乗組員の状況に関する情報のチェックや収集に引き続きあたっている。

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( 翻訳者:一橋弘人 )
( 記事ID:2580 )