(社説)いつも通りの大学合格者リスト入りから人生の試験合格者リスト入りへ(Daily, Vol-4/No-53)
2016年06月12日付 The Voice 紙

高校卒業・大学入学試験(第10学年試験)はミャンマーの学生の人生において最も重要なステップの一つであるとして定められているため、高校卒業試験の合格発表が行われる日は、学生にとっても親にとっても特に胸が高鳴る日である。

 今年は合格者リストを、関係する高等学校のみならず、オンラインを通しても発表したので、ミャンマー全域で同時に合格者リストを見ることができた最初の年だとも言える。

 確かに、高校卒業試験の合格者リストを早朝に起きて見にいかねばならなかったことは、胸が高鳴るつかの間の時間を大切なものにしたが、現代的な諸制度へと移行してきた今日のような時においては、オンラインウェブサイトを通して発表するので、時間やお金がかかったり、疲れたりすることがなく、さらに不必要な問題も抑制できる。

しかし、今日発表した合格者リストをオンラインで見られるにもかかわらず、そのように見られることを広く周知できていなかったために、早朝に合格者リストが掲げられた場所へ行き、群がったり押し合ったりしながら見なければならない状況は、50年以上前と同じ光景であった。

 さらに、大学入試の合計得点に基づいて申請していた大学をレベルに応じて振り分け、受け入れる制度も以前からのままなので、それぞれの学生の好み、性格、気質によって自分たちが興味のある大学に行く権利がまだないこともいつも通りだと言える。

 親や学生の、高校卒業入試でよい成績がとれるように、栄誉を得られるように、高得点を得られるように、仕事の機会に恵まれ、早く昇格し、収入の良いところに入れるような生計に結びつく大学やカレッジへ通えるようになどの目的や目標も例年通りである。

 実際のところ、分野ごとの専門家を生み出すことはできず、そのような専門家に相応しい仕事の機会も作り出せないことに加えて、現在に至るまで紋切り型の教授法、質問、解答の形式や、頻繁に変更される教育制度などもいつも通りである。

 大学入学学年の段階まで至った学生の合格者リストは教育省が定めた試験の合格者たちではあるが、彼ら一人ひとりが大学入学学年または第10学年に相応しく全学科を心底から本当に理解しており、そのために自信をもっているかどうかは疑わしい。

 言いたいことはこうだ。高校卒業試験に合格した人が人生の試験にも十分な自信をもって答えて合格できるとは言い切れず、暗誦・暗記・形式通りの方法で勉強してきた人たちが大半であり、質問に含まれる事柄について、定めてある解答方法や指示、採点規則の通りに答えるので、その質問用紙についてだけの合格者であると言いたいのである。

 実際には、目まぐるしく変化し、課題が山積し、競争が激しく、予測できないことばかりで、紆余曲折にあふれている現代において、これから遭遇するであろう人生の試験の合格者リストに入ることは非常に困難であることを知らしめたい。

編集者(2016年6月11日)

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( 翻訳者:河野美由貴 )
( 記事ID:2642 )