メコンデルタの農民は自ら過酷な気候に適応する方法を探す
2016年06月19日付 VietnamPlus 紙


 気候変動が日増しに厳しくなり、メコンデルタに流れ込むメコン河の水量が日増しに少なくなり、沖積土が以前の地味豊かさを失いつつある現象を前に、この地域の多くの農民は環境に適応し、生産モデルを変えながらも高い経済効果をあげている。

   良い収穫のためにハスと稲を輪作 

 国際自然保護連合(IUCN)の視察団のドンタップムオイ地域視察を追って、ベトナム通信社(TTXVN)レポーターは、一年中、田畑と稲作のみに従事する農民達に面会した。
 この地域の多くの農家が、夏秋期の稲が収穫後に値段が下がってしまい利潤が高くならず、秋冬期の稲の資金をやりくりするのに足りなくなること、または次の農期のために肥料をさらに多く準備する必要があることなどを心配している中で、ドンタップ省ドンタップムオイ県ミーホア社第一村落在住のグエン・ヴァン・バイ氏は、ハスの花の収穫を終え、家族全員の旅行を嬉々として支度している。
 バイ氏は質実でまじめな農民で、30年以上にわたって稲を育てている。かつては5haの土地で、うち2.5haでは稲を年に3期育てていたという。残りの2.5haは冬春期だけ使うのだが、この前の期にはバイ氏は夏秋期に使い、また放っておく年もある。ここは洪水対策の堤防の外側にあるからだ。
 2013年に、彼はこの2.5haで1期をハスの花、1期は稲を育て始めた。冬春期の稲を収穫した後に、藁を燃やし、土を耕してのちポンプで水を供給し、1か月ほど待ってまだ成長し始めていないハスの球根を植えると、2か月半後頃に収穫ができる。
 推計では、毎年3月から10月まで続くハスの農期後、バイ氏は諸々の支出を差し引いて1億ドンの利益を得ている。
 以前の夏秋期の稲と比較すると、バイ氏はこの面積で4000万ドンの利益しか得られなかっただけでなく、大雨や洪水による損害を被る年もあった。
 このように、この同じ面積でもハスと稲を1農期ずつ輪作すると、バイ氏は総額1億4000万ドン以上の利益が得られている。
 これは、ハスの収穫後に冬春期の稲の種をまくのにハスが水と沖積土をよく保ってくれるために、ハスの輪作をしない場合と比べて稲に使用する肥料と農薬を40%減らすことができたのに生産高は上がったということを含まない額である。
 この生産方法によって、単純に稲しか育てていない農民たちのような1ha当たり8トンの生産高にかわって、バイ氏の冬春期の稲の生産高は1ha当たり10トンに上る。

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( 翻訳者:鈴木加奈、吉野珠子 )
( 記事ID:2731 )