市場のヌオックマムの70%近くが規定量を上回るヒ素を含んでいる
2016年10月17日付 VietnamPlus 紙
フークオック島でのヌオックマム製造
フークオック島でのヌオックマム製造

 国内の10の省と都市の市場で売られている瓶詰のヌオックマム(魚醤)150のサンプルの調査結果によると、70%近いサンプルが保健省の定めるヒ素の総量の基準値をクリアしていないことが明らかになった。
 これは、ベトナム規格・消費者保護協会[Vietnam Standard and Consumers Association 略称VINASTAS]とベトナム科学技術連合協会により、今日(10月17日)の午後に発表された、全国ヌオックマム調査結果報告の中で示されたばかりの情報である。
 調査団は販売代理店、スーパー、商業センター、小売市場や特産品販売店で直接購入した88銘柄のヌオックマムのうち、ラベルに記載された全窒素量が10g/Lから60g/Lまでの瓶詰めのヌオックマムから150のサンプルを採取した。
 調査団は、ラベルの記載内容と、全窒素量、アミノ態窒素、アンモニア態窒素、そして、ヒ素、塩分量からなる、ヌオックマム食品安全、化学指標を調査した。
 ラベルの記載内容によるとこれらのサンプルは全国の19の省と都市にある施設で生産されており、1サンプルのヌオックマムのみタイの製品であった。
 調査結果から、150のサンプルのうち125のサンプルで前述の5つの化学指標のうち少なくとも1つの指標が基準値もしくは製品のラベル表示内容を満たしていないことが分かった。中でも51%のサンプルが、企業が製品ラベルで表示している全窒素量の指標を下回っており、20%のサンプルがアミノ態窒素の指標に達しておらず、2%のサンプルがアンモニア態窒素の指標に達していなかった。
 特に、約67%のサンプルが保健省の定める総ヒ素量の基準をクリアしていなかった。
 しかし、規定を超える総ヒ素量の調査結果が出たサンプルのうち20サンプルを試験したところ、そのすべてで無機ヒ素を検出しなかった(検出限界値が0.01mg/L)。全窒素量の含有量が生産者の表示する製品ラベルの数字を下回る51%のサンプルのうち、15%近くのサンプルでラベル表示の数字と40%以上の差があった。
 ベトナム規格・消費者保護協会事務局の副事務局長ブオン・ゴック・トゥアン氏によると、「食品中の重金属汚染の制限についての国家技術基準、QCVN8-2:2011/BYTが規定する、つけダレ製品であるヌオックチャム中のヒ素含有許容量は最大で1.0mg/Lまでだが、調査した150サンプルのうち101サンプル(67%を占める)の総ヒ素量がこの国家技術基準の規定を満たしていないことが分かった。これらの規定を満たしていない各サンプルの総ヒ素含有量は、1.0mg/Lから5mg/L以上くらいの値である」という。
 ベトナム規格・消費者保護協会の報告は、「これらヌオックマムのたんぱく質の度数が高い製品ほど、総ヒ素量が規定を超えるサンプルの比率も高くなる。具体的には、40度以上のたんぱく質を含むサンプルの調査で、その95%が、総ヒ素量が規定を超えていると分析された」と伝えた。
 以上の結果から、ベトナム規格・消費者保護協会は各管理機関に、国内で生産され・市場に流通している各種ヌオックマムの本当の品質に関する具体的規定を早期に定めるよう提案した。また、消費者の権利を守るため、ヌオックマムの品質・生産工程・ラベル表示内容の検査を強化し、違反した施設を厳正に処分する必要があるとした。
 さらに同協会は各企業に対し、ヌオックマム製品の加工方法や[原料の]源、原産地、成分、容量、その他ヌオックマム製品の本当の品質について規定に従い、誠実に、食品安全を保証して、情報を消費者に明確にするよう求めた。
 ベトナム規格・消費者保護協会によると「昔からヌオックマムはベトナムの家庭にとって欠かすことのできない調味料である。しかし、ヌオックマムを使う際に栄養成分やその製品が求められる安全性について明確に正しく理解している者は誰もいない。さらに、現在懸念すべきは、消費者はヌオックマムを買う際に、生産者がラベルに記した内容以外、選択するための情報を全く持っていないことである」とのことである。
 この状況を受けて、ベトナム規格・消費者保護協会は初期結果のデータを集めるために国内10の省と都市の市場の瓶詰めヌオックマムの品質調査プログラムを実施するに至った。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:石井恵梨 )
( 記事ID:2902 )