「一帯一路」協力についてベトナムの見解
2017年05月16日付 VietnamPlus 紙
フォーラムに出席したチャン・ダイ・クアン国家主席、中国の習近平国家主席、ロシアのプーチン大統領と各国代表団長
フォーラムに出席したチャン・ダイ・クアン国家主席、中国の習近平国家主席、ロシアのプーチン大統領と各国代表団長

 国営ベトナム通信社(TTXVN)の特派員によると、5月15日、中国の北京で、「一帯一路」に関する国際協力ハイレベルフォーラムの枠組みで、首脳会合が行われた。
 チャン・ダイ・クアン国家主席は、首脳会合の2度のセッションに出席し、スピーチを行った。
 TTXVNは、首脳会合におけるクアン国家主席の「政策連携を深め、協力関係を強化する」と題したスピーチを謹んで紹介する。

<スピーチ>
 フォーラムの議長である習近平中華人民共和国国家主席閣下。会議にご出席の皆様。
 美しい首都北京で開催される「一帯一路」構想に関する国際協力ハイレベルフォーラムに参加できることを大変嬉しく思います。ベトナムからの一行を代表して、われわれ参加各国のため、国家主席閣下及び主催国の盛大な歓待と行き届いた準備に謹んで感謝申し上げます。
 世界は、今や過去数十年に成功をもたらしてきた発展モデルがもはや効果を発揮しない、いわばターニングポイントの段階に突入しています。チャンスと試練を前に、各エコノミーの相互連携・相互依存は一層深まっています。世界は、伝統的及び非伝統的安全保障の脅威に直面しており、国の大小を問わず、いずれの国家も自らのみでは解決し得ないのです。
 こうした状況下で、われわれは皆、其々の国家、地域の持つポテンシャルと利点を最大限に発揮し、科学技術の先進的成果を効果的に開拓し、ともに持続的に発展するための平和、安全、安定の環境を確保することのできる、新らしく創造的なアクセス方法を模索しています。
 この考え方に立って、ベトナムは、経済連携、地域連結構想、就中、「一帯一路」の枠組み、特に、「平和・協力、開放・包摂、相互学習・参照、互恵ウィンウィン」との理想の下、多国間・大陸間・多経済圏間の連結促進に関する習国家主席閣下の構想を歓迎します。
 われわれはまた、「一帯一路」の参加国が過去3年間で達成した前向きな成果を歓迎し、引き続き本構想が経済連携及び地域連結に寄与し、インフラ結節と市場拡大において小国及び発展途上国を支援し、国家間の発展格差を狭め、企業と人々のために新たな機会をもたらすことを期待しています。
 ベトナムは、各当事国に共通利益をもたらし、持続可能な発展に関する国連の2030アジェンダの実現に貢献する各プロジェクトの研究、策定、実施において、中国及びその他の国と協力する用意があります。

 皆様。
 各エコノミー間の経済連携、地域連結のプロセス、また伝統及び非伝統的安全保障の脅威への対処に向けた努力が前向きな成果を示している中、ここで、「一帯一路」の枠組みにおける協力についてのいくつか見解を、以下の通り皆様へ共有させていただきたいと思います。
 第一に、持続可能な発展に関する国連の2030アジェンダ実現のため各国を支援するとの目標を伴った構想の枠組みにおける各種協力と、地域・グローバル協力の各種枠組みの間を緊密に結びつけることで、共通目標の実現を推し進め、共鳴を生み、利益の浸透を増し、リソースの動員と効果的な活用を促すだろうと思います。
 第二に、持続的、効果的、包摂的な各指標を確保することについてです。各国、地域の発展ニーズから生み出された必要なプロジェクトを優先することです。
 経済効果についての評価に基づき実施されるプロジェクトを選択することは、財政面で債務と持続性に影響を及ぼします。同時に、この選択は、社会に前向きな意味のある、民族・文化の特色を維持するような、環境に関する指標にも応えるものでなければなりません。
 効果的な財政支援スキームの構築は、本構想を効果的に実施するため、欠かすことのできない要件です。
 資金面のニーズが一層増加する中、われわれは、各政府のリソースのみに依存することはできず、世界銀行、アジアインフラ投資銀行、アジア開発銀行、企業コミュニティなど、各国際金融機関の参加を動員する必要があります。一方で、各種借款の要件は、資金にアクセスする可能性のある小国及び発展途上国が、管理レベルを向上させ、質の高い人材を養成し、先進技術を移転するため、これらの国々を真に優遇するものである必要があります。
 第三に、コンセンサス、平等、自らの意思に基づくこと、透明性、開放、相互尊重、共に利益を有すること、国連憲章及び国際法を遵守することの原則に基づき、各国間の持続的発展に向けた協力を進めていくことは、チャンスを発揮し問題を解決するうえで、各国の相互理解と共通努力のための基盤となります。
 2017年のAPEC議長国として、ベトナムは、貿易・投資自由化と経済協力に関するボゴール目標の達成を強力に推進するため、新たな発展段階における地域連結ビジョンをともに構築するため、懸命に努力している各エコノミーのメンバーと鋭意協力してきたし、現在も協力しています。
 これは、21世紀における持続的発展と包摂のためのアジア・太平洋パートナーシップをともに活用するための重要な基盤です。こうした努力は、2013年までの持続的発展目標の実現に積極的に貢献するでしょう。
 最後に、「一帯一路」構想に関する国際協力ハイレベルフォーラムの大成功を祈念いたします。

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( 翻訳者:一橋弘人 )
( 記事ID:3447 )