半数以上の省で、出生時の男女比率の不均衡が拡大
2017年05月23日付 VietnamPlus 紙
ハノイ市中央婦人科病院の新生児
ハノイ市中央婦人科病院の新生児

 5月23日、ヴィンフック省ヴィンイェン市で、保健省人口・家族計画化総局は欧州連合と共同で、「2016年~2025年の出生時性比率の不均衡を制御するプログラム」の実施1年間の評価セミナーを行った。
 セミナーでのスピーチで、グエン・ヴィエト・ティエン保健省副大臣は、ベトナムでの出生時男女比率の不均衡は急速に起こっており、日増しに高く、深刻なレベルで広がっていて、特に紅河デルタの省でこの傾向が顕著だと述べた。
 この問題の原因は、男性重視、女性蔑視、人々の跡継ぎ息子が欲しいという気持ちなどの様々な影響による。また、技術が進歩するにつれて、先端技術が日増しに発展し、胎児の性別の選別、強要が日増しに増えて、男女比の不均衡を引き起こしている。しかしこれに警告を発する制裁はいまだ存在しない。
 人口・家族計画化総局の報告によると、1年間の実施後、プログラムは41の省と都市で承認された。38の省と都市は出生時の性比増加抑制に関する指標を地域の社会経済開発計画に加えた。26の省と都市はプログラムを実施展開するために地方予算を振り当てる予定だ。
 人口・家族計画化総局は地方と共同で14,438の会議、セミナー、専門活動を開催し、のべ50万人以上の参加者を集めた。具体的には人口に関する法律教育普及の会が5,693回で19万4千人以上、超音波や中絶などのサービスを提供する487の施設に対し3,667回の点検と査察を行った。
 展開の一年後、出生児男女比率の増加速度は打ち出した目標に達したが、一部の地域においては多くの措置を持って介入したにもかかわらず、指標を達成することができなかった。会議でも、出生時性別の不均衡率が前年よりも高い省と都市が半数以上であるという実状が挙がった。2014年は63の省と都市のうち15が出生時性別比は男子115人に女子100人であった。2015年は63の省と都市のうち13と減少したが、2016年は、63の省と都市のうち22と増加した。
 人口家族計画化総局の代表によると、主な原因はプログラムの活動の展開が遅いことである。2016年の新たな事業内容は主に、承認が下りた後に各省が自身のプログラムを作成・展開するのを指導することに重点を置いており、支援を奨励する政策という解決策を実施する各グループの活動にはまだ重点を置いていなかった。
 経費遅延のために、資金・要員の問題にも困難が生じた。中央では、2016年10月になってようやく1回目の予算の仮払いが行われたところで、多くの活動がいまだに実現できていない。
 その一方で、プログラムを展開する各活動は統一性を欠き、急変もまだなく、社会風潮を創り出すに至っていない。点検や査察は常に行われるというわけでも継続されるわけでもなく、違反への対処も厳密ではなく、警告を発する制裁もまだない。各解決策による介入は、出生時の男女比率不均衡を査察する事業の中で、まだ基本的な変化を創り出せずにいる。
 セミナーにおいて、EUや国連人口基金、韓国からの外国人専門家らは、各地域や世界における出生時の男女比率不均衡の減少に介入する活動の展開経験について共有し、ベトナムに対するアドバイスを行った。
 プログラム実施展開時の各省や都市の多くの経験がセミナーにおいて共有された。

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( 翻訳者:河合摩南、森葵 )
( 記事ID:3526 )