朝鮮半島で衝突が発生したら、ベトナムも影響を受ける
2017年10月05日付 VietnamPlus 紙
北朝鮮のミサイル発射を報道するスクリーンの前を通り過ぎる韓国国民
北朝鮮のミサイル発射を報道するスクリーンの前を通り過ぎる韓国国民

 アメリカの大手信用格付け会社ムーディーズは、もし朝鮮半島で現在高まりつつある緊張状態が最終的に軍事衝突に至った場合、米国や朝鮮半島だけが損害─少なくとも信用取引に関し─を受けるだけでなく、日本やベトナムも影響を受けるであろうと警告した。
 「高まりつつある緊張が、より広範囲において、地域全体の楽観的な経済成長への展望をくじきかねない」
 これは、10月4日に公表された、半年ごとに更新されるアジア太平洋経済情勢報告で世界銀行が警告したものである。
 ムーディーズのシニア・クレジット・スペシャリストのマーティン・ペッチ氏は、「衝突が長引けば、様々なチャンネルを通じ、世界各国の信用格付けにも影響する」としている。
 韓国が最も確実な被害国の一つで、次いでベトナムと見られている。サムスン・エレクトロニクスやLGエレクトロニクスなど多くの韓国企業が安価な労働力を頼りにベトナムに多くの工場を建設し、ベトナムを自らのサプライチェーンに組み込んできた。
 ペッチ氏は、「そのため、ベトナムは、韓国国内の生産活動の停滞や衰退による世界的なサプライチェーンのいかなる中断に対しても、最も被害を受けやすい国である」と指摘している。
 ベトナムの輸入中間財の約20パーセントは韓国からの輸入である。また、ベトナムの韓国への輸出はベトナムの国内総生産の5%以上を占めている。
 危機に対して、「より迅速かつ効果的な対応を決定し、実施することにおいて、ベトナムの政策決定体制は多くの重大な試練に直面する可能性がある」という。
 ペッチ氏は、「より大きな危機に対するマイナス思考は、さらなる低成長を招き、国家の信用評価にも影響しうる」とし、日本の場合は、「企業や消費者は守りの節約を強め、投資や消費の減少につながるだろう」と指摘している。
 また、「名目GDP成長率の減少は、財政健全化の範囲を狭めることになるであろう」と指摘、即ち、衝突の長期化による軍事支出の増加は、日本の財政を弱めることになるという。
 一方、世界銀行が去る10月4日の水曜日に公表した報告では、東アジアおよび太平洋地域は今年6.4%の成長になると予測している。しかし、報告は、この明るい展望に対して起こりうるリスクについて、悲観的な表現もしている。
 地政学的リスクのリストの中で真っ先に上がるのは北朝鮮の核の脅威であり、「武力衝突の発生にまでエスカレートしうる」ものとし、ビジネスの流れや経済活動を中断させることになるという。
 高まる緊張は、地域各国に対し、「外部金融へのアクセス(既にあるもの、今後その可能性があるもの)に影響を与える可能性をはらんでいる」。 これは、世界銀行の東アジア・太平洋地域担当の経済専門家スーディール・シェティー氏が4日の記者会見で指摘したものである。
 この各国への貸し手である世界銀行が経済情勢報告の中で地政学的緊張について言及するのは稀である。実際、世界銀行が朝鮮半島危機について、このように直接的に強調するのは初めてである。
 報告は、「いくつかの主要大国は、北朝鮮のさらなる核能力開発を阻止するためにも、より強硬な措置を求めており、その中には、軍事的な行動も含まれている」としている。
 さらに、「目下の衝突のエスカレーションは、経済的にも深刻な結果をもたらしかねない」と警告し、特に、この地域が世界的な輸送業と製造業のサプライチェーンのセンター的役割を担っている点に留意すべきだとしている。
 報告は、このことは、「世界的なビジネスの流れと経済活動を中断させる」とし、「事態は容易に変動し、その結果、全世界の市場で(地域の)発展の展望をくじく恐れがある」と強調している。
 また、投資家に関しては、そうした懸念が、政治的危機の際には常に起こりうる「安全な場所への逃避」という対応を駆り立てることとなり、それが、地域各国からの資本の流出をもたらすことになりかねない。
 そうした事態は、世界的な為替相場と金利の上昇への圧力を引き起こすことになる。報告は、その結果、域内の貨物船に対する保険料の上昇、必需品価格の世界的な急増をもたらすことになると警告している。

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( 翻訳者:安部勇輝 )
( 記事ID:3828 )