CO2排出量は2030年には3倍に
2017年10月05日付 VietnamPlus 紙


 予測では、現在のベトナムの[経済]発展の速度では、もし自然災害を軽減する努力がタイムリーになされなければ、ベトナムにおける温室効果ガスCO2の排出量は2030年には2010年と比較して3倍になるという。
 上記の情報は、気候変動に関する作業グループのグループ長であるヴー・ミン・ハイ氏が、「COP23に向けて:全地球の気温上昇を2℃未満に抑制するためのより大きな野心」というシンポジウムで提示したものである。[このシンポジウムは]気候変動局が、各非政府組織(NGO)と連携して、10月5日ハノイで開催した。
 CO2排出の実情に関して、ハイ氏は「ベトナムは工業国となるための努力の途上で、これまで、貧困の削減、社会福祉の向上において注目に値する前進を遂げてきた」とつけ加えた。
 しかし、まさにこの[経済]発展もCO2排出量を急増させる原因の1つとなっている。例えば2013年だけで、CO2の排出量は1991年と比較して既に3.5倍に増えている。
 特に2010年、ベトナムにおける温室効果ガスの総排出量は2億4680万トン相当である。なかでも、エネルギー分野がCO2排出量1億41 00万トン相当あまりであり、最も多くの比重を占めている。現在の[経済]発展速度では、CO2排出量は2030年には3倍となるだろう。
 ハイ氏は「ベトナムは気候変動からの影響を日増しに深刻に受けている。よって、気候変動が引き起こす影響や損害を最大限抑制するため、CO2排出量を削減するいかなる努力も絶対に必要である」と強調した。
 管理機関の視点から、気候変動局副局長であるファン・ヴァン・タン氏は、「これまで、地球上の自然災害、暴風、洪水はとても複雑に増大しており、アメリカを含めていかなる国も例外は無く、とても深刻な被害が複数出ている」と述べた。
 ベトナムにて、ここ数年で最大で、『暴れん坊』とみられた台風10号([訳者注:アジア名:トクスリ。日本でいうと台風19号にあたる])が直撃した。統計によると、台風10号による死傷者は120名以上、倒壊した家屋は1,100棟以上、屋根が飛ばされた家屋は16万3000棟以上であった。
 気候変動の変化の予測が難しいことを受けて、タン氏は「ベトナムは過去においても現在においても、[気候変動]対策の実施とグリーンで持続可能な成長を目指した低炭素経済の構築のための活動を行うために、内在する力を発揮し、国際社会に呼びかけている」と述べた。 
 さらに、「近日中に開催される第23回気候変動枠組み条約締約国会議(COP23)にて、上記のような[台風による人々の命や財産の]喪失を各国に伝える。各国が、具体的な目標や行動を提示し、気候変動による自然災害の各現象の削減に貢献するためである」とタン氏は付け加えた。
 気候変動に関するパリ協定の合意内容を実現するためのベトナムの国別貢献(NDC)に関する公約について、気候変動局幹部のグエン・ヴァン・フイ氏は、「NDCは、現在[再]検討が行われている段階だ。[特に]、多くの分野における温室効果ガス削減の取り組みの分析を集中的に推進するつもりだ」と伝えた。 
 計画によると、国内の自分の力で、ベトナムは2030年までにCO2の総排出量を8%削減する。このうち、GDP上で排出量を2010年と比べて20%削減し、森林被覆率を増やし45%にする、とされている。
 フイ氏は「上記の8%の[国別]貢献水準は、二国間、多国間協力、そして気候変動枠組条約による新しいシステムを通じた国際援助によって25%に引き上げることができる」と述べた。

参考記事:「排ガス不正で毎年5000人の死亡を間接的に誘引」[訳注:独フォルクスワーゲン社関連記事]
https://www.vietnamplus.vn/be-boi-gian-lan-khi-thai-gian-tiep-khien-5000-nguoi-tu-vong-moi-nam/466694.vnp

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( 翻訳者:阿部静香 )
( 記事ID:3829 )