メコンデルタの米価、年末数か月で急騰
2017年10月31日付 VietnamPlus 紙


 年末数か月の米の輸出需要の増加により、多くの企業がすでに結んでいる米輸出の契約を履行するための米の調達に迫られている。
 同時にまた、メコンデルタ地域では2017年の秋から冬にかけての農期の米の収穫はほぼ終える見込みだ。現在の米価は急騰し入手が困難になっている。
 カントー市での農期秋から冬にかけて栽培する稲の生産総面積は約7万4,000haである。現在農民は基本的に収穫を終えており、残っているのは、ヴィンタイン県の数千ヘクタール程度だ。米の供給源が不足しているため、収穫を終えた稲のほとんどが、仲買業者によって田で即買い取られている。現時点での米価は前シーズンと比べて1キロあたり500ドン前後[およそ2円47銭前後]値上がりした。
 これにより今農期の利益はかなり高く、1ヘクタールあたり約2000万ドン[およそ9万9000円]にまで達した。しかしながら近年では農民は田で収穫したばかりの[玄米に加工する前の]米を売ることが習慣となっていたため、値段が急騰した時、収穫を早めた多くの農民は売るための米が手元に残っていなかった一方で、収穫を遅らせた農家は高い価格で売ることができ、利益もより多かった。
 ドンタップやアンザン、キエンザンのようなカントー周辺の地方では、大部分の農民は米価が急騰している状況を喜んでいるが、やはり多くの者が早期収穫、早期販売してしまったことを残念に思っている。
 カントー市農業・農村開発局の副局長であるグエン・ティ・キエウ氏によると、稲の作付面積の大部分が収穫を終えており各企業の消費ニーズが高まっている中で供給に限界があるため、最近米価が急騰しているという。
 今年、米の中国市場への正規輸出の契約締結以外にも、カントー市の米輸出業者は新たにバングラデシュやイラン、フィリピン市場への米輸出契約を締結した。これにより、米の需要は現在及び将来も高まるであろう。
 米の需要が高まったため、現在カントー市の郊外の郡、県、近隣の省では、農民が2017年~2018年の冬から春にかけて栽培する稲の種蒔きを終えていないにも関わらず、仲買業者は去年よりもかなり高い米価、1キロあたり400ドン~600ドン[およそ1円97銭から2円96銭]で米を買う契約を農民と結ぶために地方に訪れた。
 具体的には、仲買業者は、収穫したばかりの[玄米に加工する前の]IR50404という品種の米は1キロあたり5,000ドン前後[およそ25円]、OM5451という品種やJasmineという品種は1キロあたり5,400~5,500ドン[およそ26円~27円]という価格で購入するとして手付け金を払った。
 企業や仲買業者が早期に高い価格で米を買い付けるための手付け金を支払ったことで、農民は喜び、生産のために積極的に投資を行う。しかし、仲買業者と農民にはリスクも潜在している。なぜなら、これまで、普通、上記のような契約が厳正に実現されたことは少なかったからだ。米価が急騰した場合や大幅に下落した場合、仲買業者、もしくは農民はいつでも契約を破棄する用意があるからだ。
 カントー市地方の各企業によると、現在農民の米の作付面積の90%以上は仲買業者によって手付け金が支払われている。10月末になっても各地方ではまだ種蒔きが行われていないにもかかわらず、である。
 各企業が良い価格の新たな米輸出契約をたくさん契約できたため、今後も米の買い付け競争が引き続き起こる可能性があり、誰よりも利益を得ることになるのは農民である。

[参考記事:メコンデルタでは輸出用の高品質の米の種籾が不足]
https://www.vietnamplus.vn/dong-bang-song-cuu-long-thieu-giong-lua-chat-luong-cho-xuat-khau/463508.vnp

https://img.vietnamplus.vn/t660/Uploaded/fsmsy/2017_10_30/thu_hoach_lua.jpg

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( 翻訳者:菊地紗希 )
( 記事ID:3967 )