5才未満の少数民族の子供の3分の1近くが栄養不良で発育阻害
2017年12月08日付 VietnamPlus 紙
児童を学校に連れて行く先生達(写真:グエン・トゥイー/ベトナム通信社)
児童を学校に連れて行く先生達(写真:グエン・トゥイー/ベトナム通信社)

 12月8日に国家栄養研究所(保健省)は在ベトナムのセーブ・ザ・チルドレン(SCI)と協力して「少数民族の子供の栄養問題に関する宣伝活動強化」に関するワークショップを開催した。
 チュオン・トゥエット・マイ国家栄養研究所副所長によれば過去5年間で5歳未満の子供の栄養不良の割合は減少したとのことだ。低体重児の割合は、2010年の17.5%から2016年には13.8%に減少した。しかしながら、ベトナムには依然として、5歳未満の4人に1人の割合で発育阻害[訳者注:年齢の割に背が低いこと]がある(2016年には24.3%)。特に少数民族の5歳未満の子どもの発育阻害の割合は、キン族[訳者注:ベトナムの人口の約86%を占める民族]の子どもの2倍近く(32.1%対16.2%)である。
 この理由は、少数民族は通常、遠隔地に住み、保健ケアサービスへアクセスするには困難だからだ。家から医療施設への移動はとても困難で、特に雨季には難しい。少数民族の女性は、よく(月齢2〜3か月といった)幼い時期から子供に固形の食事を与える。いくつかの地域では、人々は十分な食糧、清潔な水がなく、衛生状態なども良くはない。
 上記の状況下で教育宣伝活動は、特に少数民族の子供をはじめとする子供の栄養不良予防対策全体の中で、重点がおかれる解決策の1つである。然るべき対象者への効果的な宣伝は、意識や態度の向上に貢献し子供の養育への積極的な実践を促進するだろう。同時に国家栄養研究所は、10の合理的な栄養アドバイスの宣伝と指導を強化する予定だ。そして、5歳未満の子供の栄養不良による発育阻害の予防対策を行うと共に、月齢0か月から72か月の子供などの急性栄養不良の診断と治療を行う。
 セーブ・ザ・チルドレンベトナム事務所代表のドラガナ・ストリニック氏は、この10年あまりでベトナムは栄養不良の比率の削減において著しい進歩を遂げた、と明らかにした。しかし、ベトナムの少数民族の子供の栄養不良による発育阻害の比率は現在も依然として高い。
 ドラガナ・ストリニック氏は、栄養不良による発育阻害は、この影響が子供に一生付いて回るという理由から未だに緊急の課題であると強調した。栄養不良による発育阻害はまた脳の発達を含む子供の成長に重大な爪痕を残し、成長後の生産能力の低下をもたらし、一国の経済発展にも影響を及ぼす。このため、今日発表された「すべての子どもたちのために」キャンペーンは、ベトナムの少数民族の子供たちのために栄養状態を改善することを目的として、セーブ・ザ・チルドレンが考案したものだ。
 同キャンペーンでは栄養問題に関わる各分野の横断的な協力が行われている。また、母親たちが妊娠時から健全な食生活や、より良い健康ケアを行うことを奨励する。母親たちが母乳で子供を育てること、乳児が満6か月を超えてからのみ離乳食を補うことを奨励する。
 特に、子供たちの人生の初めの1000日は栄養不良による発育阻害の予防にとって最も大切な期間である。同キャンペーンは、2011年−2020年期と2030年までのビジョンの栄養に関する国家戦略の目標の達成実現に寄与するだろう。
 今回のワークショップにおいて、代表者たちは少数民族の子供たちの栄養問題の実情と解決策、少数民族の子供のための栄養問題に関する宣伝活動、といった内容について集中的に議論した。

[関連記事:[インフォグラフィックス]ベトナムの子供の25%が栄養不良で発育阻害]
https://www.vietnamplus.vn/infographics-25-tre-em-viet-nam-bi-thap-coi-suy-dinh-duong/402919.vnp

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( 翻訳者:阿部克哉、嘉田浩 )
( 記事ID:4065 )