ベトナムと日本の広範な戦略的パートナーシップ関係は強力に発展している
2018年01月14日付 VietnamPlus 紙
チャン・ダイ・クアン国家主席
チャン・ダイ・クアン国家主席

 「ベトナムと日本の広範な戦略的パートナーシップ関係は強力に、全面的に、そして実質的に発展している。両国は、ともに発展するために補完し、支援しあえる多くの強みを有していることから、各分野における友好・協力関係発展の潜在力はなお大きい」 
 チャン・ダイ・クアン国家主席は、日本の読売新聞のインタビューに対し、このように強調した。
 ベトナム通信は謹んでそのインタビューの全文を紹介する。

-これまでの越日関係について、国家主席のご意見をお聞かせください。

 チャン・ダイ・クアン国家主席:ベトナムと日本は古くから関係がある民族同士であり、歴史、文化、伝統、人文的価値に多くの似た点がある。1973年9月に外交関係を樹立し、45年が経ち、ベトナムと日本は多くの分野でお互いに日増しに重要なパートナーとなった。両国が二国間関係を「アジアにおける平和と繁栄のための広範な戦略的パートナーシップ関係」(2014年3月)に高めて以降、越日関係は強力に、全面的に、そして、実質的に発展した。
政治に関し、双方はハイレベルの指導者間の恒常的な接触を維持している。2017年は、初めて1年間に5件ものハイレベルの訪問が行われた。中でも歴史的な訪問だったのが日本の天皇皇后両陛下のベトナム訪問であり、また、安倍首相は2回ベトナムを訪問され、衆議院議長も15年ぶりにベトナムを訪問した。
 2017年はまた、二国間関係に新たな進展があった年でもあった。それは、グエン・スアン・フック首相の日本公式訪問(2017年6月)で、両国が越日間の広範な戦略的パートナーシップ関係の深化に関する共同声明を発表したことである。両国は、国連、ASEAN、APEC、ASEMなど、多国間のフォーラムなどでも緊密に、そして、効果的に協力した。2017年のベトナムAPEC年、そして、第25回APEC首脳会議の成功には、日本の積極的な貢献と協力があった。
 経済に関し、日本はベトナムの最も重要なパートナーの一つであり、最大のODA供与国、第2位の貿易相手国である。特に、日本は2017年、ベトナムに対する最大の外国投資国となった。現在、大手企業グループのほとんどを含む日本企業2500以上がベトナムに投資し、ビジネスを行っている。
 両国は、ベトナムのインフラ整備やエネルギー等の分野で、多くの大規模案件を協力して行っている。インフラ整備、競争力の向上、質の高い人材育成、気候変動対策、その他の多くの分野での日本のODAはベトナムの経済社会発展事業において重要な貢献をしてきた。
 治安・国防、農業、教育、人材育成、労働の各分野の協力は多くの実質的な進展を遂げてきた。また、各地方間の協力は日ごとに活発化し、37組の地方が協力合意に調印した。
 民間交流、文化協力、観光の様々な活動は力強く発展している。2017年、日本はベトナムへの旅行者数が第3位となり、また、桜の国として知られる日本はベトナム人旅行客の魅力的な目的地となっている。現在、23万人以上のベトナム人が日本で学び、生活し、働いている。また、1万6千人以上の日本人がベトナムで生活し、働いている。これは、両国の経済社会の発展や両民族の友好関係の推進に益々貢献している。
 今年、両国は外交関係樹立45周年を記念した様々な意義ある活動を開催する。私達は、ベトナムと日本の友好協力関係が最も素晴らしい発展段階にあることを喜ばしく思っている。

-ベトナムと日本の関係が今後も発展し続けていくための推進策をお聞かせください。

 チャン・ダイ・クアン国家主席:ベトナムと日本の広範な戦略的パートナーシップ関係は強力に、全面的に、実質的に発展している。両国は、ともに発展するために補完し、支援し合える多くの強みを有していることから、各分野における友好協力関係発展の潜在力はなお大きい。
 2017年11月のダナンにおけるAPEC首脳会議に際し、私と日本の安倍首相は、各分野でのさらなる両国関係の発展を推進する大局的な方向性と具体策について意見交換をし、一致した。
双方は、各レベル-特にハイレベル-の訪問と接触の恒常的な維持による政治的な信頼の強化や、両国の各省庁および地方間の対話メカニズムの効果的な強化を引き続き行っていくことで一致した。
 現在の良好な経済協力を基礎・弾みにして、双方は、互恵を原則とした相互補完のため、それぞれの強みを発揮すべく、また、ODA、貿易、投資の協力強化を通して二国間の経済連携を推進すべく、努力していく。ベトナムは、ODAのより効果的な利用、二国間の経済協力メカニズムの積極的な展開に向け、日本と緊密に協力していく。ベトナムは、ベトナムで投資、ビジネスをする日本企業をはじめ外国企業のためにより有利な条件を整えるため、投資環境改善への努力を続けていく。
 双方は引き続き、労働、クリーンな農業、ハイテクなど大きな潜在力のある様々な分野での協力や各地方間の協力を推進し、また、文化交流や民間交流の活動推進に向け緊密な調整を行っていく。そうしたこと通じて、両国人民の信頼と相互理解を強化していく。それは、将来の確実な協力の基礎となるものである。
 広範な国際社会に積極的に参入していくという主張の下、ベトナムは、これまでも、現在も、そして、これからも、国際社会の誠実な友人であり、信頼できるパートナーであり、責任あるメンバーである。 そうした精神の下、ベトナムは日本とともに、地域と世界の平和、安定、協力、発展のため、ともに関心のある問題について、世界や地域の国際会議の場で引き続き緊密かつ効果的に協力していく。
 私は、ベトナムと日本の友好関係の素晴らしい発展を基礎にして、そして、双方の努力、同じ志、正しい政策により、ベトナムと日本の広範な戦略的パートナーシップ関係は引き続き、両国人民の利益、そして、世界の各民族の利益のため、全面的、実質的に発展していくものと信じている。

-ベトナムは今後、日本の投資家にどの分野への投資を望みますか?

 チャン・ダイ・クアン国家主席:現在、日本はベトナムの経済にとって最も重要なパートナーの一つである。2017年初11カ月間の日本の直接投資(FDI)は約90億ドルに達し、対越投資国・地域中トップで、2016年比4倍に増加した。
 しかし、この数字は、世界有数の経済大国であり資金豊かな日本としては、なお控えめなレベルの数字である。日本の対ベトナム投資は、日本のアジアへの外国直接投資総額の約3%にすぎず、また、東南アジアのいくつかの国に対する投資よりも低いレベルである。一方、両国は、ともに発展するために、相互に補完し、支援しあえる経済メカニズムを有している。
 日本は高度な科学技術水準を有する先進国である。ベトナムは日本に、「越日協力の枠組みにおける2020年に向けたベトナム工業化戦略及び2030年へのヴィジョン」の電子、農業機械、農水産品加工、造船、環境・省エネ、自動車・同部品生産の優先的6分野、さらに、裾野産業、製造業、インフラ整備、エネルギー、クリーン農業、ハイテク、汚水・廃棄物処理など日本が強みを持つ分野への投資、技術移転を希望している。
 ベトナムの一貫した政策は、日本を初めとする外国の投資家に対し、常に有利な条件とオープンな投資環境を整備することである。日本のジェトロが2017年2月に行った調査によると、日本企業の70%がベトナムへの新規投資を希望し、ベトナムに進出している日本企業の66.6%が生産、経営活動の拡大を計画しているという。これは前向きな兆候であり、今後、日本企業の対ベトナム投資が引き続き増加し、双方に実質的な利益をもたらすと確信できる根拠である。
 2018年の新春に際し、私は心から、日本の皇室、政府、国民、そして、読売新聞の読者の皆様に最高の祝意をお送りするとともに、我々両民族の協力関係と友好がいつまでも強化され発展するよう祈念します。

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( 翻訳者:佐々木健眞 )
( 記事ID:4179 )