ベトナムはアジアで最も潜在力のある市場
2018年02月20日付 VietnamPlus 紙
マスコミのインタビューに答える小野寛幸氏
マスコミのインタビューに答える小野寛幸氏

 経済成長が高い水準を維持し、一人当たりの平均消費が拡大し続け、政治・社会情勢は安定しているので、ベトナムは外国投資家を惹きつけるところとなっている。
 電子版新聞VietnamPlusは、ベトナム経済のチャンスと潜在力に対する外国投資家の見方について、日本のACA投資ファンドのパートナーをつとめる小野寛幸氏と意見交換した。氏はベトナム市場を含むアジア地域で6年間仕事をした経験をもっている。

─外国投資の流れは増大しつつあり、ベトナムの統計総局によれば、昨年に実行された外資は175億米ドルに達しています。新年の最初の月の時点で、実行された外国直接投資は10億米ドルに達し、同時に間接投資は大きく伸び3億5600万米ドルに達しています(昨年同期比で54.7%増)。この傾向について、どのように評価なさいますか。

小野寛幸氏: 
 ベトナムに関する基本情報、たとえばGDP成長率は連続して何年も高い水準を維持し、年6%前後に達しており、国際的にも非常に潜在力のある市場の一つとして評価されています。
 私が特に強調したいのは、一人当たりの平均消費水準が非常に好調に伸びており、10年前と比べて5倍に増えていることです。人々が得られる所得は、市場のサプライチェーンの増大に依拠しています。この見方に立てば、「ベトナムはアジアで最も潜在力のある市場の一つである」といえます。
 私たち誰もが非常に明確な傾向がでていると見ています。外国の投資家とともに、日本の各企業は特にベトナム市場に関心をもっています。特に消費品供給分野で、日本の幾つかの小売りグループは店舗のチェーンやサプライチェーンを展開し始めました。めざす目標は小売りの市場です。
 日本の投資家にとって、かつてはタイやインドネシアが一番であったとするならば、今はベトナムがこれら両国を越えて最大の投資吸引国となっています。
 現段階で、日本の非常に多くの企業は市場を拡大し、ベトナムに工場を建設しチェーン店を開きたいと考えています。
 
─ベトナムにおける日本の企業と投資ファンドの経験豊富なパートナーとして、各当事者間での経営連携過程を素早く効果的に促す解決方法と問題点を示していただけませんか。

小野寛幸氏: 
 ベトナムの各企業は、日本の企業に好印象をもち、非常に礼儀正しく、慎重で、信頼に値すると評価しており、長期的なパートナーの一つになりうるとしています。
 しかしながら、日本の各企業は製品の質に関して常に要求し、また圧力と要求は非常に強いものがあります。そのため求められる仕事の過程はきわめて詳細で事細かくなります。日本の各企業は非常に長い時間をかけて調査をおこない情報を理解しようとします。ここで問題なのは、いつになったら彼らは連携するために理解し終えるのか分からないことです。
 さらに、日本の各企業は証券市場に上場すると、彼らは企業の管理、運用知識、活動監査に関連する問題について、連携パートナーにより高度な要求をしてきます。
 ベトナムが魅力的な投資市場となり、日本の企業は主体的にベトナムの企業との連携とパートナー捜しをするようになりました。しかし実際は、双方が理解し合うための手続きはきわめて複雑です。しかし、各当事者がこのことを実現してはじめて各企業が協力し連携するのを保証する条件を満たすことができます。

─双方の障害・引っ掛かりを解決するのに投資ファンドはどのような役割をもっているでしょうか。

小野寛幸氏:
 最初に理解する過程で、企業双方は自分の戦略的方向性について意見交換しなければなりません。この段階が受け入れられれば、彼らは企業の管理内容と監査など、詳細な交渉に入ります。
 そのため、ベトナムの企業に投資し連携したいと望む日本の各企業は、実現過程が秩序正しく運ぶように、監査において投資ファンドの力を用いるのがふつうです。
 日本企業の側から見ると、コンサルティング組織が企業理解メカニズム構築に関する当初の提案を出します。すべての監査活動は弁護士を通さなければなりません。その後、連携が最善のかたちで合意に達するための協働メカニズムを提示します。
 ベトナム企業の側では、日本の企業の管理能力を高く評価しています。そのため投資コンサルティング組織は、これらの要素を保証するため、双方の企業を連携する仲介者になります。
 経営拡大していく上で、最も時間を費やす段階は、戦略や展望を打ち出すことができるように、パートナーの情報を収集し、理解し、研究することです。もしこの段階でコンサルティング組織やファンドを通せば、企業にとって多くの時間を節約することができます。

─具体的に、ACA投資ファンドはこれまでにベトナム企業との協力過程において、どのような投資に参加し、貢献されてきたのでしょうか。

小野寛幸氏:
 ベトナム市場において、ACAは4つの企業に投資しています。それはベトタイン技術総公司(ケーブルテレビのサービス提供)、カットドン貿易・サービス株式公司(電子取引。Cungmua.com;Nhommua.com)、BBM投資株式公司(ベビー用品チェーンのBibo Mart)、ソンキム不動産総公司(Sonkimland)です。
 現在、上記の4つの公司(会社)は初期の支援段階にあり、ACAは役員会などに人員を送り込み、各企業が日本側投資家に合致した経営・管理において改善を進めるのを支援しています。
 その過程とともにACAは、文化的・国際的参入を可能にする、これらの企業の戦略面での投資可能性を検討しています。通常、この評価過程にはおよそ2・3年かかります。
 企業の役員会に人員を送り込むことで、ACAは経営過程で彼らを支援し、同時に日本の企業との連携をつくりだしています。

─どうもありがとうございました。

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( 翻訳者:メディア翻訳ベトナム語班 )
( 記事ID:4183 )