ベトナムの170万人の児童がインフォーマルセクターで労働
2018年06月25日付 VietnamPlus 紙


 国連児童基金(UNICEF)とベトナム労働・傷病兵・社会省のある調査によると、学校に通えない子供たちは低年齢の時期から働かなければならない危険がとても高いという。貧困の現状は子供の家族の教育費を支払う能力を圧迫し、子供の早期の労働を促す要因となっている。
 これは6月25日に労働・傷兵・社会省と国際労働機関が協力しハノイで行われた児童労働を防ぐ政策と方策に関するワークショップで明らかになった情報である。
 ユニセフ[ベトナム事務所]のレ・ホン・ロアン室長は、「ベトナムで労働に参加する児童の経済の特徴を調査したILOの研究により、経済条件が厳しいまたは労働力不足といった理由で、家族の生産活動の中で児童が重要な役割を果たしていることが発見された」という。
 「ベトナムでは、様々な打撃を受けた場合、特に不作の場合、児童の学業に大きな影響を与えている。彼らの家族は教育のための支出を削減し、児童の勉強する時間を減らし、児童を労働させるために学校に通わなくなる児童の比率を上げている」とレ・ホン・ロアン氏はいう。
 ILOベトナム事務所のチャン・ヒー・リー事務所長は次のように述べた。「児童労働は主に農村経済地域で行われたり、インフォーマルであったりするため、発見するのは難しい。児童労働防止対策では、児童労働に関する国の法律の支援を受けるための均質な政策が求められている。質の良い教育、社会支援、保護者の持続可能な仕事、というのが、児童労働防止対策のための有効な方法である」。
 ベトナムでは、児童労働に関する国家調査の結果、現在、児童労働を行っている児童は175万人おり、5歳から17歳までの児童人口総数の9.6%を占めていることが分かった。特にインフォーマルセクターで働く児童はおよそ170万人という。
 労働・傷病兵・社会省のグエン・ティ・ハー次官は以下のように述べた。「ベトナムは、法律の規定を設け、児童労働を防止するための多くの対策を実施してきた。強制労働撤廃、現在の奴隷制度に終止符を打つ、重く危険な児童労働の形態をなくす、といったことに関する8.7目標を含め、ベトナムが公約している[国連の]持続可能な開発目標を実現する努力をおこなっている」。
 「児童労働問題の解決のため、特に重く有害で危険な労働形態から児童を守るために、我々は、社会のパートナー、国家機関、企業、組合、社会組織、家庭、コミュニティのすべてと緊密につながり、連携することに積極的に参加しなければならない」とグエン・ティ・ハー次官は強調した。
 国際社会への参入や自由貿易協定への参加を背景に、サプライチェーンにおける児童労働を含んだ労働に関する国際公約の実現に、より関心が高まっていく見通しだ。そのため、児童労働の削減と撲滅を目指すには、まさに児童、家族、コミュニティ、そして労働者を雇用する人の意識から変化することが必要なのである。 
 現在、2012年労働法には、最低労働年齢、労働時間、労働条件に関する規定や未成年者の労働に関する規定がある。労働安全衛生法、児童法も国会で可決され、引き続き児童を搾取する行為を厳しく禁止する具体的な規定や児童労働の防止・削減における各省庁、部門、団体、コミュニティ、社会組織、経済組織の責任の明確な規定が設けられた。
 ILOの推定では、世界には5歳から17歳のおよそ1億5200万人の児童が児童労働者であるという。児童労働は依然として主に農業分野に集中している(70.9%を占める)。およそ5分の1に児童労働者がサービス分野で働いており(17.1%を占める)、11.9%の児童労働者が工業分野で働いている。

[関連記事:ILO:8000万人あまりの子供が危険な仕事をやらざるを得ず]
https://www.vietnamplus.vn/ilo-hon-80-trieu-tre-em-phai-lam-nhung-cong-viec-nguy-hiem/450994.vnp

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( 翻訳者:森本悠太 )
( 記事ID:4497 )