ベトナムには約30万~50万人の性転換者が存在する
2018年09月26日付 VietnamPlus 紙
性転換者のフオン・ザンさん
性転換者のフオン・ザンさん

 ベトナムには、推定約30万~50万人の性転換者が存在する。社会的、文化的、法的な障壁が性転換者を社会的弱者たらしめている。
 性転換者は自身の家庭や公共の場において、しばしばいじめや偏見、差別の対象となる。就業の機会や医療の面でも制約を受ける。これらは、特に自らの希望する性別に従って生活する人々に顕著である。
 この情報はベトナム科学技術学会連合のコミュニティ開発イニシアティブ支援センター(SCDI)が9月26日ハノイにて開催した「性転換者のための性転換法」シンポジウムにおいて発表された。
 医療省法制局のディン・ティ・トゥー・トゥイ氏(修士)は、現在のベトナムの状況において、婚姻法と家庭法は同性結婚を認めておらず、これは性転換者にとって障壁の一つであり、ベトナムの法律は男性、女性の2性別しか認めず、第三の性別は認めてないと述べた。
 一方で、性転換者コミュニティ内で性犯罪や暴力が横行している状態も警戒すべきである。性転換者の23%は性的な関係を強要され、16%は性的暴行を受けたと述べた。それ以外にも、回答者の83%が性転換者であることを理由に侮辱されたことがあると語った。
 コミュニティ開発イニシアティブ支援センターの性転換者のための支援プログラムを担当するグエン・ティ・キム・ズン氏は現在、性転換には多くの困難が伴い、特に毎回の手術費用は非常に高額であるが、多くの場合、性転換者がこれを自己負担しなければならない。性転換法の制定は、健康と生命を守り、性転換者が自らの性別に従って生活する権利を持つことの助けとなる。
 世の中の進歩に従い、性転換法を早期に施行し各規定を拡張することは、性転換者のみならず、関係するサービスを提供する機関や社会の望みでもあり、性転換者が自らの望む性別に従って生活できるよう彼らに保障するものである。一連の法律があってこそ、性転換者は自らが認められる社会において、平等に生きる、結婚する、幸福を享受する権利を持つことができる。
 シンポジウムで各参加者は、性転換者を偏見視し差別する問題、困難、妨害、障壁や、性転換法制定の必要性、一連の法律の制定や性転換者の公認に対する性転換者コミュニティの提案について集中的に協議した。

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( 翻訳者:野村純太 )
( 記事ID:4534 )